おばさまは、極力電気をつけない。
むかしの人だからだろうか。
それとも節約家なのだろうか・・・。
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ある日、ただいま~と買えると、
異常にバカでかいテレビの音が聞こえる。
あぁ、おばさまは帰ってきているのだな。
起きているのだなとわかる。
部屋をのぞくと、
真っ暗でテレビだけがついている。
なんだ、寝ているのか。
そう思い、おばさまの部屋へ入り、テレビを消そうとすると
暗闇におばさまが座ってこっちを見ている。
というか、テレビを見ている。
「ひぃっ!!」
おばさまとわかっても、驚く。
「おばさま、暗いなぁ。電気つけるよ」と
私がいうと、
「ひゃぁぁぁぁぁ。いたんか」 と驚く。
こっちが怖いわ。
「そうか?暗いか?」
暗いかって・・・・。
真っ暗なんですけど。
おばさま、妖怪に見えるんですけど・・・。
じっと座って身動きしないその姿は、怖いよぅ。
テレビの光がぼぉっと、おばさまを照らして
怖いよっ!!
「電気つけるよ」とつけると
「いやぁ。あかいなぁ」 →明るいの意
「電気いらないの?」
「暗いほうが、テレビが良く見える」
なるほど、映画館的にね。
理解はするが、
やっぱりいやだなぁと思い、電気をつけたまま去る。
すると背後から、
「いやぁ、あんた電気つけてくれたんか」
「ありがとう」
「テレビが良く見えるわ」
へっ???
どっちでもいいらしい。