最近、UFO見てないな、、
残業、
店主がイケメンの焼き鳥屋さんものれんをはずして一息ついている頃、
最寄り駅から家に帰る道で、
青黒い夜空を見上げて思った。
冬の空。
数個しかない肉眼で見える星が、
これでもかと頑張って輝いているのだろう。
星のマークみたいにとげを出してキラキラ言ってる。
、、お姉ちゃん、UFO見たよ!
まだわたしも妹も成人式も迎えてていなかった頃、
わたしは大きいお腹で、
主婦で妊婦というポジションにいて、
妹はプロレスラー研修生として、寮で先輩達と共同生活を送っていた。
その頃、人気もあり、有名どころのレスラーがいる女子プロ団体だ。
それなりに女子プロで形を作って欲しいと思う反面、
不安も大いにあった。
何故なら、彼女は共同生活がとても苦手だから。
いや、そういうレベルでなく、フツウの生活がきちんと出来てない子だったから。
プロレスの練習から寮への帰り道、彼女から電話がかかってきた。
わたしもUFOは数回見たことがあっので、
へえ、そうなんだあ、よかったね、
と、普通に答えた。
UFOの形状と現れかたについてひとしきり話し、
続けて、彼女は、今日の練習がきつかったこと、
でも、練習がきついのは全然苦ではないこ
と、
つらいのは、先輩との寮生活だということをぽつんぽつん話した。
掃除洗濯も後輩の仕事、
ごはん作るのも後輩の仕事、
洗濯も掃除もうまく出来ない。
なにやっても怒られる。
カレー作ったら美味しいと言われたから、
また作ったらカレーばっかりと怒られた。
彼女の立場にわたしがいたら、気を使った料理も作るし、お愛想も言える。
そこそこ気に入られるために頑張るだろう。
でも、彼女はなにもできない人なのだ。上手に適当に物事をあしらえない人。
ごはん作ったり、掃除や洗濯をてきぱきする彼女をこれまで見たことがない。
そんなのやってるだけで驚きなのに。
すごいことなのに。
その頃は彼女が 統合失調症 だなんて考えてもいなかったけど、
うまく世間とつき合えない子で、人と同じ生活がしんどい子だとは知っていた。
、、じゃ、寮についたから、
と、彼女は電話を切った。
これから先輩たちの練習着を洗濯をして、
ごはんの用意をするのだろうか。
彼女が千葉の黒い夜空を見上げてオレンジ色の光を見つけ、
あ、UFOだ、おねんに電話しよう、
と思ったのかと思い、
お風呂のお湯に浸かりながら、
涙が出た。
わんわん泣いた。
しゃくりあげて泣いた。
頑張らなくていいよ、と思った。
その後、彼女は研修生を断念し、
実家に戻って来ることになる。
女子プロの研修生として、そこそこ頑張って、テレビにちらりと出てたりもしたので、
わたしの旦那の両親や親戚が、
妹がプロレスを断念したことに対し、
やめるのはもったいない、もうちょっと頑張ればいいのに、と、口を揃えて言った。
頑張る頑張らないは己が決めること、他人が言うことではない、
その後わたしは離婚し、旦那とその家族とも疎遠になった。頑張りが足らなかったんだろうね!
妹は現在他の団体に所属しプロレスを続けている。
残業、
店主がイケメンの焼き鳥屋さんものれんをはずして一息ついている頃、
最寄り駅から家に帰る道で、
青黒い夜空を見上げて思った。
冬の空。
数個しかない肉眼で見える星が、
これでもかと頑張って輝いているのだろう。
星のマークみたいにとげを出してキラキラ言ってる。
、、お姉ちゃん、UFO見たよ!
まだわたしも妹も成人式も迎えてていなかった頃、
わたしは大きいお腹で、
主婦で妊婦というポジションにいて、
妹はプロレスラー研修生として、寮で先輩達と共同生活を送っていた。
その頃、人気もあり、有名どころのレスラーがいる女子プロ団体だ。
それなりに女子プロで形を作って欲しいと思う反面、
不安も大いにあった。
何故なら、彼女は共同生活がとても苦手だから。
いや、そういうレベルでなく、フツウの生活がきちんと出来てない子だったから。
プロレスの練習から寮への帰り道、彼女から電話がかかってきた。
わたしもUFOは数回見たことがあっので、
へえ、そうなんだあ、よかったね、
と、普通に答えた。
UFOの形状と現れかたについてひとしきり話し、
続けて、彼女は、今日の練習がきつかったこと、
でも、練習がきついのは全然苦ではないこ
と、
つらいのは、先輩との寮生活だということをぽつんぽつん話した。
掃除洗濯も後輩の仕事、
ごはん作るのも後輩の仕事、
洗濯も掃除もうまく出来ない。
なにやっても怒られる。
カレー作ったら美味しいと言われたから、
また作ったらカレーばっかりと怒られた。
彼女の立場にわたしがいたら、気を使った料理も作るし、お愛想も言える。
そこそこ気に入られるために頑張るだろう。
でも、彼女はなにもできない人なのだ。上手に適当に物事をあしらえない人。
ごはん作ったり、掃除や洗濯をてきぱきする彼女をこれまで見たことがない。
そんなのやってるだけで驚きなのに。
すごいことなのに。
その頃は彼女が 統合失調症 だなんて考えてもいなかったけど、
うまく世間とつき合えない子で、人と同じ生活がしんどい子だとは知っていた。
、、じゃ、寮についたから、
と、彼女は電話を切った。
これから先輩たちの練習着を洗濯をして、
ごはんの用意をするのだろうか。
彼女が千葉の黒い夜空を見上げてオレンジ色の光を見つけ、
あ、UFOだ、おねんに電話しよう、
と思ったのかと思い、
お風呂のお湯に浸かりながら、
涙が出た。
わんわん泣いた。
しゃくりあげて泣いた。
頑張らなくていいよ、と思った。
その後、彼女は研修生を断念し、
実家に戻って来ることになる。
女子プロの研修生として、そこそこ頑張って、テレビにちらりと出てたりもしたので、
わたしの旦那の両親や親戚が、
妹がプロレスを断念したことに対し、
やめるのはもったいない、もうちょっと頑張ればいいのに、と、口を揃えて言った。
頑張る頑張らないは己が決めること、他人が言うことではない、
その後わたしは離婚し、旦那とその家族とも疎遠になった。頑張りが足らなかったんだろうね!

妹は現在他の団体に所属しプロレスを続けている。