野山に白い花が咲いて、

それも山肌を這うように咲いていて。

これは草いちごですね(写真)。

 



そしてこの花が咲いたら、

やがて初夏に生る赤い草いちごの実を想い浮かべるのです。

市販のミニトマトが入っていたという、

四角い小さなパックにあなたが摘んで詰めたのを。

雨上がりの道端で1メートルほどの樹木に、

いっぱい溢(あふ)れるように生っていて、

それをひとつひとつ摘んだことを。

霧雨のなか肩に傘を預けたまま、

懸命に両手を使ってせわしげに摘んでいたね。

手の甲には水滴が付着。

それは額を拭った汗なのか、

草の葉の雫だったのかな。
 
草いちごなのにやがて生育して樹になれば、

都会で暮らすあなたのことが気になるのです。

 

 

     by 啐啄(そったく)童子

 

穏やかな日差し太陽に照らされて

キラキラいまキラキラを大切に今日も生きるクローバーマルクワークス山越