花というより種といった方が正しいかもしれない。
黄色の花期が終われば、
白い綿毛に包まれた種(写真)が目立ち始める。
今にも風に吹き飛ばされそうなこの種だからこそ、
遠く離れたところに根ざし勢力を伸ばしていくのでしょうね。
アスファルト舗装の裂け目から、
しらーっとして風に吹かれてメトロノームのように揺れている。
倒れそうで倒れない、
そのたおやかさは厳しい雨風が教えてくれたもの。
好き嫌い好き嫌い・・・
子どものころに花占いで遊んだことを思い浮かべながら、
信号待ちの車窓から眺めています。
艱難辛苦を乗り越えて銀婚式を迎えた夫婦のように、
少し大き目と小さ目、
二つピッタリ寄り添うように並んだタンポポの花。
風は運んでくれないから、
喧嘩しながらも仲がよかったあの人に、
今度こそ近況を伝える絵手紙を送ろうかと。
by 啐啄(そったく)童子
季節ごと咲く花のように
ひとつひとつ少しずつ歩む
トライ株式会社