偶然現れた穂高は、
重い空気を察したのか否か、
取りとめも無い話をします。
穂高と一緒に同じ学校の人たちもいたからかもしれません。
この頃、himeはあんまり学校に行っておらず、
皆が学校帰りの制服なのに、himeは普段着
浮いてるな・・・って自分でもわかりました。
男の子たちは、知ってか知らずか、
苛められているhimeに対しても普通に接してくれます。
でも・・・
ほんの2週間学校に行ってないだけで、
ちょっとした話題についていけないんです。
淋しい気持ちでいっぱいでした。
その時、同じクラスのA君が、
『最近なんで学校来ねぇんだよ~
ちゃんとサボらず来いよ~』
なんてさりげなく言うもんだから、
himeの涙腺はブレーキが壊れ、うれし涙で溢れました。
何気ない言葉でしたが、まだ居場所があるんだ・・・って
ほっとしたし、安堵感を覚えました。
なんだかんだで盛り上がってしまい、
お開きになる頃にはいい時間になってました。
皆と別れ、一人駅で電車を待っていると、
良ちゃんから
その時、良ちゃんも駅に向かっている途中で、
良ちゃんが駅に着くまで待って、一緒に帰ることになりました。
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約30分の車内で、良ちゃんはまず、
電話でややキレてしまったことを謝りました。
そして、いつものように穏やかに、
なぜ別れようと思ったのか、今までのいきさつを聞こうとしました。
himeは正直に
学校での苛め、それがM先輩によるものと思っていること
等々を話しました。
でもその中に、
良ちゃんのこと好きだから、
嫌われたくないから、
言えなかった・・・
とは言えませんでした・・・
今だったら、ストレートに言わなくても、
そのニュアンスを感じられるような言い方をして、
相手に気付かせるんですが、
まだこの頃は若かったんですね。
そんなテクは持っていませんでした。
たった30分の車内では、ヒソヒソ声でしたが、
十分に話し合えたような気がしました。
電車を降りると、そのまま良ちゃんのマンションへ。
再び話し合いました。
話し合ったというよりも、一方的にhimeの言い分を聞いてもらい、
結局・・・
苛められたくないから、別れる・・・
という結論にたどり着きました。
それに対して良ちゃんは何も言いませんでした。
きっとこの後、良ちゃんと先輩は付き合うんだろうな・・・
それを思うと、悲しくて悔しくて、仕方ありませんでしたが、
それよりも、今の環境が変わるなら・・・
という気持ちのほうが強く、
どちらかというと気持ちは前向きでした。