偶然現れた穂高は、


重い空気を察したのか否か、


取りとめも無い話をします。


穂高と一緒に同じ学校の人たちもいたからかもしれません。





この頃、himeはあんまり学校に行っておらず、


皆が学校帰りの制服制服なのに、himeは普段着ワンピース


浮いてるな・・・って自分でもわかりました。




男の子たちは、知ってか知らずか、


苛められているhimeに対しても普通に接してくれます。


でも・・・


ほんの2週間学校に行ってないだけで、


ちょっとした話題についていけないんです。


淋しい気持ちでいっぱいでした。



その時、同じクラスのA君が、


『最近なんで学校来ねぇんだよ~


ちゃんとサボらず来いよ~』


なんてさりげなく言うもんだから、


himeの涙腺はブレーキが壊れ、うれし涙で溢れました。


何気ない言葉でしたが、まだ居場所があるんだ・・・って


ほっとしたし、安堵感を覚えました。



なんだかんだで盛り上がってしまい、


お開きになる頃にはいい時間になってました。



皆と別れ、一人駅で電車を待っていると、


良ちゃんから携帯携帯携帯


その時、良ちゃんも駅に向かっている途中で、


良ちゃんが駅に着くまで待って、一緒に帰ることになりました。



*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:



約30分の車内で、良ちゃんはまず、


電話でややキレてしまったことを謝りました。


そして、いつものように穏やかに、


なぜ別れようと思ったのか、今までのいきさつを聞こうとしました。



himeは正直に


学校での苛め、それがM先輩によるものと思っていること


等々を話しました。


でもその中に、



良ちゃんのこと好きだから、


嫌われたくないから、


言えなかった・・・



とは言えませんでした・・・



今だったら、ストレートに言わなくても、


そのニュアンスを感じられるような言い方をして、


相手に気付かせるんですが、


まだこの頃は若かったんですね。


そんなテクは持っていませんでした。




たった30分の車内では、ヒソヒソ声でしたが、


十分に話し合えたような気がしました。


電車を降りると、そのまま良ちゃんのマンションへ。


再び話し合いました。



話し合ったというよりも、一方的にhimeの言い分を聞いてもらい、


結局・・・
















苛められたくないから、別れる・・・






という結論にたどり着きました。








それに対して良ちゃんは何も言いませんでした。


きっとこの後、良ちゃんと先輩は付き合うんだろうな・・・


それを思うと、悲しくて悔しくて、仕方ありませんでしたが、


それよりも、今の環境が変わるなら・・・



という気持ちのほうが強く、



どちらかというと気持ちは前向きでした。