ある日学校へ行くと、何か違和感が…


何か違う…むっ


いつも休み時間に話しかけてきた友達が来ない…


そぉいえば、他の女の子達もなにか違う…


お弁当の時間は、いつもhimeを含め、4人で食べてたのに、


3人だけで、机をくっつけて、himeの場所はない…


避けられてる…


明らかに避けられてる…




でも、himeには理由がわかりませんでした。


前日まで仲良くしていた子達が、たった一晩で裏を返したような態度。


休み時間もお昼休みも掃除時間も一人。


そんな日が数週間続きました。


最初は、クラスの女の子の無視から始まり、徐々に、学年全体に。


机が無くなっていたり、体育服が無くなっていたり、


配布物がぐちゃぐちゃになって置いてあったり…


あからさまな陰口が続きました。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ある日、お昼ご飯を一人で食べていると、同じクラスの穂高が話しかけてきました。


穂高:『一緒に食おうぜぇ~』


それまで、同じクラスでも全くしゃべったことありません。


テニス部で真っ黒に焼けた穂高は、にこっと白い歯を見せると、


何も言わないhimeの前に机と椅子を持ってきました。


穂高と一緒に内田君もやってきて、3人でお弁当を食べました。


*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆


数週間振りでした。


久しぶりに笑った気がしました。


穂高はいつも一人でいるhimeを心配してくれていたようです。


穂高:『あいつらも陰険だよな~

何があったか知らないけど、

皆で無視することないじゃん。

何かあったら、言えよ。

一人で悩むなよ』


hime:『大丈夫。気にしてないから。』


笑ってそう答えましたが、何よりも嬉しい言葉でした。


一日の半分以上を過ごす学校の中で、誰とも話さず一日を終える。。。


何よりも辛い日々でした。


そんな中、全く話したこともなかったクラスメイトが掛けてくれた


優しい一言に心底助けられた気がします。




それから毎日穂高と内田君は一緒にお昼を食べてくれました。


それまでは、学校に行くのが憂鬱で、何度もサボろうと思いましたが、


一人じゃないという安心感と、


毎朝の穂高からのメールに励まされ、


学校に行くのも以前より苦ではなくなっていました。




ある時、ひょんなことから、穂高と良ちゃんが同じ塾に通っていることがわかり、


良ちゃんに穂高を紹介しました。


2人は妙に気が合うようで、親友のようでした。


himeと穂高は、部活が終わるのも、ほぼ同じ時間なので、


穂高と駅まで一緒に帰り、駅で良ちゃんと待合わせして帰る。


次第にこれがパターン化していきました。


良ちゃんは週に3日、塾に通っていたので、それ以外の日ですけどね。


例え学校で女の子に無視されようとも、良ちゃんも穂高もいる…


それだけが元気の源だった気がします。