鑑賞日　2024年2月23日(金・祝)

製作年　2023年

製作国　イギリス・アメリカ

言語　英語・サモア語　日本語字幕

尺　104分　

公開日　2024年2月23日(金・祝)

原題　Next Goal Wins

レイティング　G

配給　ディズニー

スタッフ

監督・脚本・製作　タイカ・ワイティティ

主なキャスト

マイケル・ファスベンダー：トーマス・ロンゲン

オスカー・ナイトリー：タビタ（サッカー協会会長）

エリザベス・モス：ゲイル（トーマスの元妻）

カイマナ：ジャイヤ

タイカ・ワイティティ：司祭

概要

2001年、ワールドカップ予選史上最悪の0-31の大敗を喫して以来、１ゴールも決められていない米領サモアチームに、次の予選が迫っていた。破天荒な性格でアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲンが就任し、立て直しを図るが、果たして奇跡の１勝は挙げられるのか！？実話をベースに『ジョジョ・ラビット』『ソー：ラブ＆サンダー』のタイカ・ワイティティが、全ての“負けを知る”人々にエールを贈る、感動と興奮のスポーツ・コメディドラマ。

（引用元：公式サイト）

感想

第36回東京国際映画祭(2023)にて

ガラ・セレクションに出品された作品。

映画祭ではスケジュールが合わず

観られなかったので公開を楽しみにしていました。

実話を基にした作品。

シビアなところもありますが、

コミカルな演出が効いています。

「人生を楽しめ」というメッセージが響きました。

米領サモアの人々の笑えるほどのポジティブさ、

おおらかさに癒されます。

おおらかな反面、意外とデリケートな部分が

あるのも描かれています。

タビタ会長の人柄の良さ、

TVのカメラマンやレストランなどを兼業しながら

チーム存続に貢献する姿も印象的でした。

もちろん、メンバーたちもサッカーだけでなく、

兼業しています。

わかっていはいても、

望むのは「1ゴール」それだけという

弱小チームの個性豊かなメンバーたちが

トーマス監督と共に、

成長していく姿に感動しました。

「ファファフィネ(女性のような)」と

呼ばれるジャイヤが

最初は反発し合っていたトーマス監督と和解、

一緒にチームを立て直していく様子も

微笑ましかったです。

ジャイヤを演じたカイマナは

オーディションで選ばれたそうです。

本作で初の演技だったというのが驚き。

はまり役でした。

W杯予選のトンガとの試合の途中で

タビタ会長が倒れてしまいます。

そのため試合のその後は会長の息子が会長に

報告をするという設定で描かれています。

ガチなサッカーのスポコンではなく、

あくまでも米領サモアの人々のユニークさや

人柄がメインに描かれている作品なので

これがまたおもしろくて、いい手法でした。

単純に試合を見せるよりもよかったと思います。

タビタ会長の命に別状がなかったのも幸いでした。

トーマス監督は時々切れやすかったり

自暴自棄になるのは、

途中で明かされた家族の辛い過去に、

その原因が多少なりともあったのかな、と。

以前サッカー好きの娘が

「世の中にはサッカーより大切なものがある」

と語ったことが、

米領サモアでの生活で響いてきて

闇から抜け出した感じは素敵でしたが、

切なさも相まっていました。

ラストにはご本人達の楽しそうな映像もあり

とてもHappyな気分になりました。

タイカ・ワイティティ監督は

自らコミカルな司祭役で登場。

オープニングとオマケ映像でも

笑わせてくれました。

ポリネシア系のタイカ・ワイティティ監督が

出演・監督するのには、

うってつけの作品でした。

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』第36回東京国際映画祭(2023)ガラ・セレクション出品作品