毎年今頃は11月のフランス公演の準備に追われていました。
初めてフランスに行ったのが公演で、10年以上前。
2015年11月13日に起こったパリ同時多発テロが起こるまで毎年公演に行っていました。
あの時私はフランスにいました。
テロが起こった前日に次の公演地のナンシーに入っていて、1日違いでパリから出発していましたが、その2日後には帰国のため一度パリにまた戻りました。
ナンシーでは世界遺産の建物が公演場所となっていて、目の前の同じ世界遺産になっている広場には亡くなられた方々の写真とロウソクが沢山並べられ、多くの方々が祈りを捧げていました。その様子をマスコミが取材していました。
あの時見た光景は一生忘れないと思います。
その時偶然にもショーの最後に踊った曲が「祈り」でした。
群舞で小道具がそれぞれ違いましたが、私は三番叟の鈴を持って踊りました。
日本で巫女さんが持って舞うあの鈴です。
予定と予定の合間に時間が空いたので映画でも見ようと「真実」を観ました。
フランスで撮影された作品で、監督は是枝裕和監督。
フランスは、ホテルの部屋にいてもレストランにいても空間や家具、調度品から発せられる独特の雰囲気があります。
この映画、日本人の監督の作品?と思ってしまうほどその雰囲気が忠実に伝わってきます。
今まで見たフランス映画の中で、ここまで忠実に伝わっていた映画は初めてだと思います。
現地で体や感性で感じるものなのでこれを言葉にするのは凄く難しい。
去年行った時は少し時間の余裕があり公園を散歩したりしました。
映画はちょうど今の時期のフランスの木々の様子も映し出されていて、去年を思い出し懐かしくなりました。