何日経っても母の気持ちが上向きになることはなかった

ベットの上から動くことはできずに、トイレすら自力では行けない

ただただ絶望の毎日だった

 

そんなある日、病院から電話があった

「依頼されていた【警察提出用診断書】の作成が完了いたしました」

面会に行くついでに受け取ることを伝えて電話を切った

 

私と姉は診断書を受け取ったことで初めて病名を知った

【交通外傷(顔面挫傷、全身打撲、脛骨腓骨骨折、骨盤骨折、高エネルギー外傷)】

そう記載されていた

 

見たことも聞いたこともない病名

そしてそこには【全治3ヶ月(見込み)】と記載されていて、

希望のように感じたけど、今となっては本当に見込みだったんだな…と思ってしまう

 

警察署の診断書を提出した日の夜

母は姉に日々の不安を綴ったLINEを送った

そして、自分自身の状態について「知りたい!教えて!!」と懇願され、

渋々診断書の情報を送った

 

今の時代、携帯1つあれば知りたい情報を簡単に調べることができる

夜、ベットの上で動けない状態の母が病名を検索することは容易に想像できた

 

その結果…泣き喚いた状態の母から姉に電話が来た

 

「こんなに酷い状況だとは思わなかった!

これからお母さんどうなってしまうの?!

歩けなくなるのかな?!

働けなくなったら、これからの生活はどうしていけばいいの?!

なんでこんなことになっちゃったの?!

相手は普通に生活してるのに、なんでお母さんは動けないの?!

我慢や痛いことばっかりなんだよ!!

なんで?!なんで私だったのよ!!」

 

「うんうん…そうだね…辛いよね…」

姉はそう答えるしかなかった