一般病棟に移った翌日
母には精神科チームが結成されていた
理由は事故によって【適応障害】と【PTSD】を発症したからだった
治療内容は投薬とカウンセリング
面会で会う時の母は気丈に振る舞っていることが多かったけど、
実際1人になると
「なんでこんなことになったんだろう」
「この先どうやって生活していけばいいんだろう」
「家に帰りたい」
「トイレやお風呂とか…誰にもお願いせずに行いたい」
「加害者は自由に動けて、今も普通に生活してるのに、
なんで私はここで寝てないといけないの」
色々な感情が処理できないスピードで湧き上がってきて
本人の意図せず形で不安や怒りに振り回される日々を送っているのだろうと
安易に想像することができた
【もう以前のような生活は出来ないんじゃないか…】
そう思ってしまう
数日経って、面会時にリハビリが開始された
ベットに自分の力だけで座って、右足に力を入れながら椅子に移動して座る
昨日までベットに横になっているだけで、座ることも立つこともできなかったのに
そんなに急に動いて大丈夫なの?!と思ったけど、
【車いすに座れるようになるために必要なこと】
そう言われると「頑張れ!!お母さんにはできるよ!!」と言うしかなかった
実際やってみると、とても痛がってはいたが、なんとか移動して座ることができた
本当に大きな大きな1歩だった
実際座っていれたのは15分程度だった
普段なら【それくらい…】そう思うような時間だけど、
今の母にとってはとてもとても長い時間だった
今まで寝てるだけだったから、座っているだけでも気持ち悪さと疲労感が高まり
ベットに戻った後は横になったまま起き上がることはできなかった