肝試し×年下男子②
歩くのも怖くて、茂みが揺れる音ですら動けなくなってしまう。
『、、やっと見つけた』
聞き覚えのある声にゆっくり見上げれば、
そこには額に汗をかいた壱馬くんがいた。
「かずまくん、、っ」
『心配しましたよ。』
「、、ごめん」
『俺こそ、すぐに見つけに来れなくてごめんなさい』
「そんなことないよ。いまこうやって来てくれたから、、それだけで嬉しい」
『大丈夫でした?』
「、、全然、平気だよ」
『、、◯◯さん、、強がりすぎ』
頬に流れた涙をそっと拭ってくれる。
『ほら、おいで、、』
少し躊躇してると、手を取られ優しく抱きしめてくれた。
『ほんまに良かった、見つけられて、、』
「、、うん。」
『あの時、途中で◯◯さんがいないの気づいて、
急いで戻ったんです。でも、いなくて、、』
「そっか。ごめん迷惑かけて、、」
『いえ。見つかったんで、結果オーライです』
「、、うん」
みんながいる広場まで歩いて戻り始める。
さっきまで怖かったはずの道なのに今はそこまで怖くない。それは、壱馬くんが私の手を握って歩いてくれてること。
『◯◯さん、大丈夫ですか?』
「あ、、うん。平気、、っきゃっ!?」
急に鳥の鳴き声が聞こえるだけでまた怖くなる。
目を瞑って立ち止まる私を抱きしめてくれる。
『大丈夫です、俺がそばにいますから』
彼にしがみつくと、そっと背中をさすってくれて
自然と不安が消えていく。
「ごめん急に、、ありがとう」
『いえ、、』
身体をゆっくり離れると、目の前には壱馬くんの顔があった。
あと少しの距離に彼の唇があって、、私はそのままキスをしてしまう。
『◯◯さんって結構大胆なんですね』
「えっ、、?あ、、っごめんっ」
持っていたハンカチで拭おうとすると、止められる。
『いい。その代わりもう一回させて』
今度は壱馬くんに頭を引き寄せられ、また重なり合う。
甘くて、優しく包まれるようなキスに次第に酔いしれていく。
『◯◯さんが、好きやから、、。素直に嬉しかった』
「嘘、、そんなわけっ」
『好きやったから、そばに居りたいし、守りたいって
ずっと思ってた』
「、、、」
『俺、◯◯さんの彼氏になりたい、、あかんですか?』
「え、、っと、、」
『はい、、って言わないと、1人にすんで笑?』
「それいやっ、、壱馬くん意地悪っ」
『嘘やって笑それに◯◯さん悲しませるの1番嫌やし』
「壱馬くんって結局は優しいんだよね」
『まぁ、でも◯◯さんだけなんですけどね』
「そうなんだ、、」
その言葉がなんだか嬉しかった。
『まぁ、すぐに返事欲しいとかは言わないですから。その代わり、ちゃんと考えてくださいね』
「、、うん。わかった」
『じゃあ、夏の宿題ってことで笑』
「何それ笑」
『いい答え待ってますね笑』
戻りますかって、歩き出す壱馬くん。
怖がる私を抱き寄せて歩き出す壱馬くんに、その後ずっとときめいている自分がいた。
返事、、すぐに出せそうな気がします、、。
end...