サッカー観戦×年下男子
残業をしてると、後輩の陸くんから声をかけられる。
『あの、、◯◯さんってサッカーとか興味あります?』
「えっ?」
『実は今夜の試合、友達と行く予定だったんですけど、
来れないってさっき連絡あって、、』
「前に言ってた試合って今日だったの?」
『はいっ、、、。
◯◯さんさえ良かったら、俺と一緒に観に行きませんか?』
「えっ私?」
『はい、、。』
「私でいいなら」
『ありがとうございますっ!』
...⭐︎
会場は始まる前からすごい熱気。
「なんか、すごいね」
『今日は特に笑。決勝戦の試合なんで笑』
「私ルールとかあんまり知らないけど大丈夫かな、、?」
『俺が教えますから、安心してくださいっ!』
「そっか、ありがとう」
選手のこと、ルールのこと、
都度彼は私に親身になって教えてくれた。
ゴールが入るだけで私も興奮して彼と一緒に盛り上がる。
彼が応援してるチームは見事優勝を決めた。
『◯◯さんとだから優勝出来ましたね!』
「そんなことないよ。でも、本当楽しかった」
『また、誘ってもいいですか?』
「え?いいの?」
『はい、もちろんです!』
それから度々サッカー観戦の誘いを受けるようになった。
彼と話題を増やしたくて、色々本とかテレビ見て勉強もした。
気づけばサッカーより
隣で笑う彼のことで頭がいっぱいになっていた。
...⭐︎
彼の好きなチームの試合。
相手は強豪のチームらしく、最初から接戦状態。
真剣に見つめる彼の横顔に目がいってしまう。
集中しなきゃいけないのに、、。
「かっこいい、、」
『ん?』
「なんでもない笑ほら、陸くんはサッカーに集中してて!」
『えー笑』
彼の笑顔が眩しくて、私の方が試合に集中なんて出来てない。
気づけば接戦してた試合は延長のPKになる。
緊張の一瞬、、綺麗なアーチを描きゴールを決める。
「っ//」
『わー!やったー!入ったー!よっしゃーっ!』
興奮冷めやまないまま急に勢いよく抱きしめられる。
子供のように喜んではしゃぐ彼。
「り、りくくんっ//」
『あ、すみませんっ//興奮して、、つい笑』
彼から伝わる熱が一気に体を熱くした。
...⭐︎
観戦の帰り道、
熱気冷めない人混みに紛れて大きな手が私を掴む。
『もう少しだけ、、◯◯さんと一緒に居たいです。』
「え?」
『、、ダメですか?』
その誘いに乗り、近くのカフェに寄ろうとしたんだけど、
どこもみんな満席。
『俺の家、すぐ近くなんですけど来ます?』
「えっ//」
『あ、えっと、、席いつ空くか分かんないしっ、
◯◯さんさえ良ければなーって、、』
「じゃあ、、少しだけお邪魔しようかな」
結局彼の家にお邪魔させてもらうことになった。
『狭いんですけど、どうぞ』
綺麗にまとまってて、
本当にサッカー好きなんだって分かるところも見えた。
『あんまり見られると、恥ずかしいです』
「ご、ごめん」
『ここ、座っててください。コーヒーとかでいいですか?』
「あ、うん。ありがとう」
小さなテーブルにコーヒーを二つ。
隣に並んで座りながら、
さっきの試合のことから仕事のこと、
プライベートのことなどたくさんのこと話した。
「あの時、偶然だけど誘ってくれてありがとう。
あの日があったから、
こうやって陸くんとも仲良くなれた気がする。」
『、、、あれ、偶然じゃないんです。』
元々キャンセルなんてなかった、
誘うきっかけが欲しくてわざと嘘ついたって。
『俺自信ないし、ずっと誘う勇気なくて、、。
でも、ワールドカップに興味持ってたからもしかしたらって』
「そうだったんだ」
『作戦、、成功しました?』
「うん笑大成功笑」
『俺、誘った時はただ◯◯さんと話せるだけで
良かったんです。ただ隣にいれればいいって。
でも、だんだんそうじゃなくなってて。』
「、え、、?」
『◯◯さんの隣は俺がいい。
笑った顔も、真剣な顔も、かわいい顔も、
全部俺だけのものがいいって欲ばっかり膨らんでて。』
「りくくん、、」
『俺、、ずっと◯◯さんのこと好きでした。
だから、今すごい嬉しいです』
「私も、陸くんとこうやって話せてすごく嬉しいの。
陸くんとの話題が欲しくていっぱい勉強とかして、、笑」
『あ、やっぱり笑』
「えっ?」
『なんか終わってからメモしてるなーって思ってて笑』
「えっ、バレてたの?うわ、恥ずかしすぎるっ//」
『健気な◯◯さん、すごいかわいい』
髪をそっと撫でられる。
『ほんと、、かわいい』
笑顔で見つめられると、こっちが照れる。
『俺の、、彼女になってくれませんか?』
「、、はい」
大きな身体で抱きしめられる。
温かい温もりで満たされていく。
...⭐︎
あれから終電までの間、陸くんの部屋でゆっくり過ごす。
『◯◯さん、今日ちゃんと試合見れてました?』
「えっ?」
『俺のこと、、ずっと見てましたよね笑?』
「えっ、嘘、、っ気づいてたの?」
『まぁ、、そりゃあんなに見つめられてたら笑』
「っ//」
『俺だって◯◯さんのこと見てたかったのに、、』
「、、、」
『だからさ、、今じっくり見せてほしいです』
手でそっと触られて、なんかくすぐったくて、、。
『◯◯さんまつ毛長いですよね?ほら、目瞑って?』
「、、こう?、、んっ//」
一瞬だけど柔らかい感触があった。
「えっ//」
『しちゃった笑』
「り、りくくんっ//!?」
『つい笑』
「もうっ//」
恥ずかしくて陸くんのことなんて見れない。
『◯◯さん、、こっち見て』
「無理っ//」
『あんなに俺のこと見てたのに?』
「そ、それは、、んっ//」
優しいキスを何度も重なり合う。
『晒せないくらい
◯◯さんの瞳の中俺でいっぱいにしてください』
彼の言葉で酔いしれていった。