夏の思い出×年下男子
雑誌の特集で浴衣に変身した北人くん。
[かっこいいー!]
{かわいい}
みんなから声かけられてなんだかとても嬉しそうな様子。
『じゃーんっ!』
そして私の前にも飛び出してくれた北人くん。
雑誌ではカラフルな服が選ばれることも多いけど、
シックな色合いも似合ってる。
『どうですか?』
「かっこいい」
『やったっ!ありがとうございますっ!』
「これから撮影?」
『いえ、まだ待ち時間です』
「そういえば、近くでお祭りやってるんだってね。
みんな行ってるみたいだよ笑」
『知ってます。だから、◯◯さんのところに来ました。』
「えっ?」
『◯◯さん、一緒にお祭り行きませんか?』
「私と?」
『そうです!まだ時間あるし、、どうですか?』
「でも、、」
『俺と夏の思い出、、作ってくれませんか?』
「夏の思い出か、、」
『浴衣でお祭り行くの憧れで、、』
「私でいいの?私、浴衣着てないよ?」
『でも、お祭りには行けるから』
「北人くんがいいなら、付き合うよ」
『ありがとうございますっ』
お昼休憩の間、私の手を取り北人くんは抜け出した。
...⭐︎
小さな神社で開催されるお祭り。
規模は小さいから人も多くない。
連れ出された時からずっと繋がれた手。
彼は気づいてないのだろうか、、?
ドキドキが収まらないまま、そのことを言い出せずにいた。
『急に誘ったのに、ありがとうございます』
「、、ううん」
『◯◯さん?どうかしました?』
「あの、、その、」
『あ、焼きそばありますよっ』
繋がれてた手が急に離れ、屋台に走っていく北人くん。
手には彼の温もりが残りつつ、呼ばれる方に向かう。
《おう、いらっしゃい。何個だい?》
「一つください」
色々な屋台に行くけど、買うのはいつも一つ。
色々食べたいのかな?
あんな細いのによく食べるんだなーと思った。
『これ、一緒に食べましょ』
「えっ?」
『あ、嫌いなものとかありました?
まだ食べたいものとかあります?』
「ううん、」
『もしかして、俺1人で食べると思ってました?』
「うん、、よく食べるんだなーって。」
『まぁ、それなりに食べる方ですけど、
流石にこれは全部食べられないですよ』
「てっきり大食いなのかと、、」
『1人で食べるより一緒に食べた方が
断然美味しいじゃないですか笑それに◯◯さんとだし』
「えっ?」
『ほら、あったかいうちに食べましょ』
探すけどなかなか空いてる場所がなく、
神社の縁側が解放され、そこに座った。
焼きそばやたこ焼き、綿飴にフルーツ飴、
彼と一緒に居れることが1番心地よかった。
『いいですね、たまにはこう言うのも』
「そうだね」
美味しそうに食べてる彼を見てれば、それだけで満足だった。
『急に誘ったのに付き合ってくれてありがとうございます』
「私も久しぶりにお祭り来たから楽しかった」
『なんか眠たくなってきた』
「北人くん赤ちゃんみたい」
『なんでですかっ』
「お腹いっぱいになったから眠たいんでしょ?
まだ時間あるし、本番まで寝てていいよ?」
『じゃあ◯◯さんも一緒に』
「えっ、私も?」
『◯◯さんも少し休んでください。
俺より朝早かったでしょ?』
「それはスタッフだし、、」
『いいから、一緒に横になりましょ?』
「食べてすぐ寝たら、太っちゃうよ」
『俺はどんな◯◯さんも好きですけど』
「えっ」
『ん?どうかしました?』
「そういうのさらっと言っちゃっうんだね」
『そんなことないです。◯◯さんだから』
「ありがとう笑」
『本気にしてないんですか?』
「だって、北人くんモテるから、
そういうの言い慣れてるんだろうなーって。」
『俺、そんな軽くないです』
「えっ、、わっ!」
腕を取られ、彼との距離が一気に近くなる。
「ほくと、、くん//」
『俺は、◯◯さんが好きです』
「、、、」
『好きだから、誰にも取られたくなかったから誘いました』
「北人くん、、」
『大好きです、、』
顎を上げられ彼がゆっくり近づいてきて、
今にも触れ合いそうな唇。
[◯◯さんーっ!あ、いたいたっ!]
その声に近かった距離を一気に離す。
[あれ?2人どうかしました?]
「な、なんでもないよ笑」
[△△さんが探してましたよ!]
「そうですか、わざわざありがとうございます」
[いえいえ笑]
「じゃ、、そろそ帰らないと。
北人くんはまだここで休んでても大丈夫だからね」
『、、、俺も行く。』
「え?」
『そうしたら、、まだ一緒にいれるから。』
お祭りから撮影現場までそう遠くはない。
『その、、手握っていいですか?』
「えっ」
『少しだけだから、、』
「うんっ、いいよ//」
『ありがとう、ございます//』
ゆっくり手を握られると、すぐに恋人繋ぎに変わる。
「っ//」
彼の顔を見ると真っ赤になっていた。
あっという間に撮影現場に着いてしまう。
「じゃあ本番頑張ってね、、」
『、、、』
さっきのことがあって目線を合わせられない。
『◯◯さん、、』
「は、はいっ//」
『俺だけ、、俺だけ見てて。』
「えっ、、?」
『陸さんじゃなくて、壱馬じゃなくて、俺だけ見てて。』
「、、、」
『絶対に夢中にさせるから』
おでこにそっとキスをされ、
そのまま行ってしまった北人くん。
遠くでメンバーと話す姿に自然と目が行き、
もう彼しか見えなくなっていた。