こんにちは。ひまわり治療院管理栄養士 大平のぞみです。
受験シーズンですが、コロナやインフルエンザが流行っているようですね。受験生や受験生の親御さん、勉強やストレスで弱っていませんか?栄養価の高いものをしっかり食べて、免疫力をつけましょう!

今回は、寒い時期に食べたくなる、〈のっぺい汁〉〈けんちん汁〉について、ご紹介します。どちらも具だくさんでしょうゆや塩で味付けをした、すまし仕立ての汁もの。似ているけれど何が違うの??と思っている方も多いのではないでしょうか。

入れる野菜は、地方や家庭によって違いがあると思いますが、基本的には

〈けんちん汁〉

具…肉類は入れない。根菜、葉野菜、こんにゃく、油揚げなど

豆腐…必須

調理法…炒める

とろみ…なし

出汁…動物性の材料は使わない

〈のっぺい汁〉

具…肉類、根菜、葉野菜、こんにゃく、油揚げなど

豆腐…どちらでも

調理法…炒めない

とろみ…あり

出汁…動物性でも可


という違いがあります。


〈けんちん汁〉の由来は諸説ありますが、鎌倉市の建長寺発祥説が、私は好きです。それは、昔、建長寺の初代住職が、野菜を無駄にしないように、いろいろな野菜を入れた汁を作り、修行中のお坊さんが落としてしまって捨てようとした豆腐を、洗ってその汁に入れたことが始まりという説です。野菜を無駄にしない。落とした豆腐も無駄にしない。今も昔も、大切なことですね。

落として崩れてしまった豆腐がきっかけになっていることから、〈けんちん汁〉に入れる豆腐は、包丁で切るのではなく、手でちぎって、あるいは崩して入れます。こうすることで、豆腐に味がしみやすくなり、さらにたくさんの人に豆腐が行きわたるようにもなりますね。

お寺発祥の精進料理なので、昆布や椎茸、たくさんの野菜(野菜くず)からとった出汁を用いるのが、本来の〈けんちん汁〉です。鎌倉・建長寺は、全国各地から多くの修行僧が集まるため、その方たちによって、全国に広まったのではないかと言われています。

一方、〈のっぺい汁〉は、とろみがあるという意味で「濃餅」「能平」などと書きます。新潟県の郷土料理に〈のっぺ〉がありますが、全国的にも食べられています。新潟県の〈のっぺ〉は、お正月、お祭り、お盆、冠婚葬祭などによく食べられており、里芋、根菜、こんにゃくのほか、ギンナン、鮭、イクラなどを入れることもある、煮物に近い料理です。

〈のっぺい汁〉も、家庭や地域によって、入れる具は違いますが、とろみのある汁ものであることは変わりません。

まだまだ寒いです。具だくさんのあたたかい汁もので体を温めて、体調を整えてくださいね。


わが家でも、〈けんちん汁〉を作ってみました。豆腐は崩して、出汁に使った昆布も、具にしてみました。



建長寺の近くには、建長寺直伝の〈けんちん汁〉を食べられるお店もあるようです。いつか行ってみたいなぁ〜。