家の全面リフォームに向けて、大がかりな断捨離をする中で、どうしても処分できなかった夫のステレオとヘリコプター🚁(模型)。

そのことを書きます。




夫は、機械いじりが大好きで、中学生の頃にはアマチュア無線を、学生時代にはステレオを組み立てていた。


社会人になり、自分で働くようになると、今まではできなかった次の趣味を考えるようになった。



あれは、結婚してまだ間がない20代半ばの頃。

当時住んでいたアパートの近くに

模型屋さんがあった。

一度だけ、夫と一緒に行ったことがある。

店主はもう年配の人で、狭い店内には、雑多な模型の箱やら部品やら、ゴチャゴチャ所狭しと積み上げられていた。

夫はその人と、何やら話し込んでいた。


当時「トランジスター技術」という月刊誌をとっていた。

ズラッと並んだその雑誌。

私もどんな本だろうと一度開いてみたけれど、専門用語がならび、なんのことだかさっぱりわからず、二度と読むことはなかった。



当時、私はすでに仕事をしていた。

ある日のこと。いつものように仕事を終えて夕方帰宅。

すると、普段は帰りが遅い夫が、もうすでに家にいた。

床に座り込んで、何やら作業をしている。


黙々と作業を続ける夫に、

「今日は、仕事、早く終わったんだね?」


と話しかけた。

でも夫は、何も言わない。

なぜ早く帰れたのか、その訳も言わない。


ふと、私の中にある疑念がわいた。

実は、その前日、大量の箱が届いていた。

ラジコンのヘリコプターの材料が届いたのである。


「もしかして、今日、仕事休んだんじゃあないでしょうね?」


何も答えない夫。


答えられないのか、答えたくないのか、うそは言いたくないのか。


だまっていても、会社をサボったことは見え見えだった。



そんなこともあった。



そうそう毎日会社を休むわけにはいかない。

帰宅後や休日を利用して、コツコツコツコツ組み立て、ついにヘリコプターは完成した。


そして、試験飛行に出かけることになった。


         (続きます)