ひまりは犬が好き。
犬が好きな子と嫌いな子がいる。
生来好きなのか、後天的に影響され好きになるのか、きっとどちらもが関係している。
「可愛いね、撫でてあげようね」
と言えば触れ合うようになる。
「怖いよ、噛まれるから触らないでね」
と言えば警戒するようになる。
ひまりは犬が好き。
身近にいるおかげ。
でも困っていることもある。
ひまりは、ご飯を食べている時に犬が近づいてくると威嚇する。
まずは声で「チョコ(犬の名前)ちゃん、だめよ、あっちいってー!!」
次に手が出る。
まさに、本気で叩くために手を動かす。
するとチョコは少しだけ距離をおいて、それでもひまりがご飯をこぼさないか虎視眈々と狙っている。
1人と1匹は睨み合う。
ここで私はひまりに注意する。
「生き物を絶対に叩かないで、叩かれたらひまりも痛いでしょ。みんな同じなの。叩かれたら痛いの。悲しいの」
するとひまりは「わかった。ごめんなさい」とうなづく。
それから犬にも注意する。
「食べている時に邪魔をしたら駄目だよ。チョコも食べている時に邪魔をされたら嫌でしょう」
チョコの見上げる目には反省の色がうかがえる。
ところが、本能の成せる業なのか、また同じことを繰り返す。
そして私も注意を繰り返す。
こうして、ひまりと犬の本能は少しずつなりを潜め、意識的な優しさがそれに上塗りされていく(今のところまだ本能が優勢だけれど)。
それについて、いいことなのか悪いことなのか、そういう判断はいらないのだろう。
共存するということは本能的なことである。
それと同時に、互いの思いやりも共存成立条件の一つなのだ。
困ったことを解決するために、私はひまりの思いやりを促す。
小さな頃、動物を飼うと子どもの成長を促すらしい。
それにはいろいろな要因がある。
でもまぁ、そんなこと全部脇に置いといて、ひまりが動物を大切に思ってくれたら嬉しい。



