鎌倉の実家に遊びに来た。
犬の散歩に海へ向かう。
これは鎌倉に来た時のひまりの日課。
ひまりは「海~!海~!」と口にしながら、大喜びで歩いていく。
海に向かう道には踏切がある。
ここで電車を見送るのも日課。
「カンカンカンカン」と踏切の音を真似ながら、首を左右に振ってリズムをとる。
電車が通ると「バイバーイ」と手を振る。
やがて海が見え、浜辺に降りると波打ち際を歩く。
歩きながら「ザブーン、ザブーン」波の音を真似て声に出す。
「チャプチャプ」と言いながら手をパタパタさせて跳ねてみる。
砂浜にわざと足を潜らせ、砂を蹴り上げては笑う。
犬のリードを持って得意顔で「わんわん、コッチ」と引っ張っていく。
おじいちゃんが犬のリードを持っているとひまりもくっついて歩く。
道端に落ちた松ぼっくりを、ボール代わりに投げては拾う。
それを繰り返しながらの帰路には、笑い声が響いている。
信号が赤になると「赤~」と足を止める。
青になると「青~」と走り出す。
「しれ~!しれ~!」大声で叫びながら駆け足。
どうやら「青信号、走れ!走れ!」と伝えたいらしいことが初めてわかった。
家から5分くらいの海だけど、この散歩道にはひまりの好きが詰まっている。
私はひまりが海に入らないよう、水溜りに入らないよう目を光らせながらついていく。
ひまりが何を見て、目を輝かせるのか期待してついていく。
胸をワクワクさせながら。




