寝たり、起きたり、泣いたりを繰り返し、夜中の1時過ぎに。

おっぱいを求めて「ぱ~い」と言うひまりの左腕が動いていない。


あれ?と思ったのはこの時だった。

左腕を注意深く触ると、左肘の下の方、ぼこんと硬い何かが皮膚の内側にある。

驚いて、電気をつけてみると関節が2つあるように、不自然な曲がり方をしている。

触ると大泣きをする。


折れてるかもしれない、、、、、、。

そう思ったら、いてもたってもいられない。

「ひまり病院に行こうね。痛いの治そうね」そう言ってひまりを抱き上げる。

ひまりも「行こう」と言った。


近くの夜間診療をしている病院に電話をし、アポを取った。

有希(パパ)にも連絡し、仕事先から直接病院に来てもらうことにした。


幸いタクシーはすぐつかまり、病院でもすぐに診察の順番が来た。


レントゲンを撮る。

レントゲン室にはひまりだけ。

大泣きしているのが聞こえて、胸が痛い。


レントゲン撮影が終わり、診察室で写真を見る。

肘の下の2本の骨が見事に折れているのが、素人の目にもすぐわかった。

折れているし、曲がってしまっている。


「整形外科の先生を呼びます」

初めに診察してくれた先生はおそらく研修医、すぐに整形外科の先生が来てくれた。

「2本の骨が折れて曲がってしまっている状態です。すぐにレントゲン室で映像を見ながら骨をまっすぐにして固定しましょう」

「よろしくお願いします。麻酔を打つんでしょうか」

「麻酔は打ちません。そのままがんばってもらうしかありません」

私は手を握り締めた。


再びレントゲン室へ向かう時に、遅れてきた有希と合流した。

パパの登場に少しだけ笑顔になるひまりに、ほっとする。


レントゲン室に、今度は私も一緒に入る。

パパは外だ。

3人がかりで体を押さえつける。

私は足の係り。


整形外科医がひまりの折れて腫れあがった腕をまっすぐに引っ張る。

「こうすると骨が真っ直ぐに戻る」と説明される。

レントゲンの撮影を見ながらの作業。

腕を引っ張ったり、折れている方向と反対の方向に押したり。


ひまりはものすごい悲鳴をあげる。

涙がぼろぼろと落ちる。

「大丈夫、すぐに痛くなくなるからね。がんばって」

私は声をかけながら、可哀想で泣きたくなった。

でも、ここは笑顔で安心させなければ。

「ひまり、大丈夫だからね!」

声をかけ続け、やっとギブスで固定された時には、私もくたくたに疲れていた。


「もう痛くないんですか」と質問すると「固定されてれば痛くないよ」と言われほっとした。

レントゲン室を出るとパパがひまりに声をかけ、ひまりは少しだけ機嫌を持ち直し泣くのをやめた。


診察室で再び説明を受け、ギブスが外れるまで2ヶ月かかることがわかった。

洋服の着せ方、お風呂の入れ方など教えてもらう。

包帯の巻き直しが2週間に一度必要ということで次の診察の予約をした。


「ありがとうございます」そう言って病院をあとにしたときには4時を過ぎていた。

これでもう大丈夫だ!と思ったら力が一気に抜けた。

ひまりはパパにあやされ、もう笑えるようになっていた。


あ~。良かった。良くないけれど、無事で良かった。

命に関わるようなことではなくて良かった。

病院でちゃんと治療してもらえて良かった。


大変そうだけれど、手が使えないひまりに変わって、生活を支えてあげないとならない。

明け方家に帰り、ギブスをはずしたくて泣くひまりを寝かしつけた。


ギブスが気にならないくらい、痛いことが気にならないくらい、たくさん遊んであげよう。

今度は少しでも高いところに登っているときは目を離さないでいよう。


早く治りますように。



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私、ギブスの生活にもちょっとなれました。ギブス2日目のひまり