赤ちゃんの肌は柔らかい。

朝方、そんなひまりの柔らかいほっぺたがなぜか引っかき傷だらけになっていた。

夜にでも毛布がチクチクして、引っ掻いたのかな。


なんとなく、生まれたばかりの頃を思い出した。


今はもう慣れてしまったけれど、赤ちゃんの回復力に毎日驚いていた。

痣も擦り傷も一日経てばどこにあったかわからないくらい綺麗に治ってしまうのだ。


今日のひまりも、夜にはもう傷が見えなくなった。


肌の再生能力が、ひまりと私では天と地の差。


自分の痣は治るのにものすごく時間がかかる。

なのに、ひまりの肌にその回復力を与えたのは母親の私なのだ。


生命の神秘。


古いものから新しいものが産まれる。

固くなったものから柔らかいものが産まれる。

冷たいものから優しいものが産まれる。


産まれてきて、私たちは学ぶのだ。

その柔らかさに、命の不思議な営みを。

生命の連鎖に宿る小さなものへの愛情を。