ときどき自分の胸を触って、変化に気づいた場合は乳腺外科へ/明石定子・家族で知ろう「乳がん」
4/19(水) 8:00配信
日刊スポーツ
 
家族で知ろう「乳がん」<28>
 乳がんは早期に発見されるケースが増えています。乳がん検診を受ける方が徐々に増えていますが、それでも受診率はまだ高くありません。そこで、最近勧められているのが「ブレスト・アウェアネス」です。
 乳房に関心を持ち、意識する生活習慣を持ちましょう、という活動があります。ときどき自分の胸を触って、変化に気づいた場合は放置せずに乳腺外科を受診しましょう、という活動です。「自分で自己触診を行って乳がんを見つけましょう」と言われると「乳がんなんて触ったこともないのに見つけられるか自信がない」という方も多いでしょう。見つけるというより、変化に気づくというほうが気楽に始めることができるでしょう。
 ところが、しこりや変化に気づいても病院で受診されない場合があります。放置し続けると、がんが皮膚から飛び出して出血したり、じくじくしたりといった状態になってしまうことがあります。「乳がんと言われるのが怖い」「胸をとられたくない」など、いろいろ思いがあるようですが、放置すると胸をとられるどころか生命を失いかねません。
 「ぽっくり死にたいから放置する」という方もいらっしゃいます。しかし、骨に転移したのを放置していると、痛みが強くて治療しないわけにはいかなくなります。肺に転移したのを放置していると、とても息苦しい状態になってしまうこともあるのです。
 最近は、乳がんの薬も非常に高額なものも出てきました。しかし、早期発見であれば高額な薬を使わなくてすむことが多いのです。加えて、治療時間も短くてすむことが多くなります。変化に気づいたら、放置することなく受診しましょう。何か気になることがあれば、家族や知人に話を聴いてもらいましょう。(取材=医学ジャーナリスト・松井宏夫)