8/10(火) 9:01配信
幻冬舎ゴールドオンライン
「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 『国民生活基礎調査』(厚労省・2019)より、日本人の厳しい老後について見ていきます。
高齢者世帯の所得「26万円」…「年金額」はいくら?
『国民生活基礎調査』(厚労省・2019)によると、高齢者世帯の平均所得額は「312万6000円」です。月換算で「26万500円」。なお所得の内訳は「公的年金・恩給」が63.6%、「稼働所得」(簡単に言うと働いてもらうお金のことです)が 23.0%となっています。
では、実際にもらっている年金はいくらなのでしょうか。
厚生労働省『厚生年金保険・国民年金事業の概況』(厚労省・平成30年度)によると、厚生年金保険(第1号)受給者は3,530万人で、受給者平均年金は月額約14万6,000円(男性約16万5,000円・女性約10万3,000円)です。
都道府県別に厚生年金の受給状況を見ていくと、受給月額平均が最も高いのは、1位神奈川県「16万6,546円」。2位千葉県「16万997円」、3位東京都「15万9,556円」と続きます。
全国平均(14万6,000円)と近しい金額となったのは、12位三重県「14万6,264円」、13位静岡県「14万6,021円」。以降、21位岡山県「14万501円」と続きますが、22位宮城県「13万9,163円」より、14万円を割り込みます。13万円台となったのは、宮城、富山、山梨、香川、長野、石川、北海道、愛媛、福井の計9県。以降、7県が年金「12万円」という結果でした。
平均月14万円。所得としてはあまりにも厳しい金額です。同調査をさらに詳しく見ていくと、気になる文言が記述されていました。
恐ろしい「年金受給額」…労働者を待ち受ける現実
○ 平成30年度における新規裁定の老齢年金受給者数は、38万人であり、平均年金月額は、8万3千円である。
「新規裁定」とは、新たに公的年金を受け取り始めることを指します。平均14万円ですら心許ない金額であるにも関わらず、新たに年金受給が始まった人はたった8万円しかもらっていないのです。老後2000万円問題が報道されて久しいですが、改めて、老後資金を「自分で用意しなければならない」状況が見てとれます。
『高齢社会における資産形成・管理』(金融審議会市場ワーキング・グループ報告書・令和元年)によると、65歳時点における金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、単身男性、単身女性のそれぞれで、2252万円、1552万円、1506万円となっています。
「そんなに貯めているのか…」と驚く方もいるかもしれません。一昔前までは、年金もさることながら、退職金が大きく老後を支えていました。しかし退職金の支給額はここ10年で右肩下がり。「退職金は一切出ない」という会社も珍しくなくなりました。
平均年収436万円だが…「自分の老後どころではない」
労働者の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は「年収436万円」です。月の手取りでは28万円ほどになります。単身者なら一定額は貯金をできるかもしれませんが、多くの場合、子どもの教育費や親の介護資金など、「自分の老後どころではない」支出が長期的な資産設計を妨げます。
ちなみに本年の国民生活基礎調査は「新型コロナウイルス感染症への対応等の観点から中止」となりました(厚労省HPより)。コロナ後の調査によって明かされるのは、さらに悲惨な現状かもしれません。
GGO編集部
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「下流老人」「老後破産」…なんとも辛い言葉が多くなった昨今。老後に必要なお金、貯められていますか? 『国民生活基礎調査』(厚労省・2019)より、日本人の厳しい老後について見ていきます。
高齢者世帯の所得「26万円」…「年金額」はいくら?
『国民生活基礎調査』(厚労省・2019)によると、高齢者世帯の平均所得額は「312万6000円」です。月換算で「26万500円」。なお所得の内訳は「公的年金・恩給」が63.6%、「稼働所得」(簡単に言うと働いてもらうお金のことです)が 23.0%となっています。
では、実際にもらっている年金はいくらなのでしょうか。
厚生労働省『厚生年金保険・国民年金事業の概況』(厚労省・平成30年度)によると、厚生年金保険(第1号)受給者は3,530万人で、受給者平均年金は月額約14万6,000円(男性約16万5,000円・女性約10万3,000円)です。
都道府県別に厚生年金の受給状況を見ていくと、受給月額平均が最も高いのは、1位神奈川県「16万6,546円」。2位千葉県「16万997円」、3位東京都「15万9,556円」と続きます。
全国平均(14万6,000円)と近しい金額となったのは、12位三重県「14万6,264円」、13位静岡県「14万6,021円」。以降、21位岡山県「14万501円」と続きますが、22位宮城県「13万9,163円」より、14万円を割り込みます。13万円台となったのは、宮城、富山、山梨、香川、長野、石川、北海道、愛媛、福井の計9県。以降、7県が年金「12万円」という結果でした。
平均月14万円。所得としてはあまりにも厳しい金額です。同調査をさらに詳しく見ていくと、気になる文言が記述されていました。
恐ろしい「年金受給額」…労働者を待ち受ける現実
○ 平成30年度における新規裁定の老齢年金受給者数は、38万人であり、平均年金月額は、8万3千円である。
「新規裁定」とは、新たに公的年金を受け取り始めることを指します。平均14万円ですら心許ない金額であるにも関わらず、新たに年金受給が始まった人はたった8万円しかもらっていないのです。老後2000万円問題が報道されて久しいですが、改めて、老後資金を「自分で用意しなければならない」状況が見てとれます。
『高齢社会における資産形成・管理』(金融審議会市場ワーキング・グループ報告書・令和元年)によると、65歳時点における金融資産の平均保有状況は、夫婦世帯、単身男性、単身女性のそれぞれで、2252万円、1552万円、1506万円となっています。
「そんなに貯めているのか…」と驚く方もいるかもしれません。一昔前までは、年金もさることながら、退職金が大きく老後を支えていました。しかし退職金の支給額はここ10年で右肩下がり。「退職金は一切出ない」という会社も珍しくなくなりました。
平均年収436万円だが…「自分の老後どころではない」
労働者の1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は「年収436万円」です。月の手取りでは28万円ほどになります。単身者なら一定額は貯金をできるかもしれませんが、多くの場合、子どもの教育費や親の介護資金など、「自分の老後どころではない」支出が長期的な資産設計を妨げます。
ちなみに本年の国民生活基礎調査は「新型コロナウイルス感染症への対応等の観点から中止」となりました(厚労省HPより)。コロナ後の調査によって明かされるのは、さらに悲惨な現状かもしれません。
GGO編集部