JR東日本が、みどりの窓口の大幅縮小を中断しています。

 

以前、JR東日本は、みどりの窓口を7割削減すると発表し、実際みどりの窓口が激減していました。

 

その結果、大きな混乱が引き起こされました。

 

私も実際に目にしましたが、繁忙期に、みどりの窓口が廃止されたターミナル駅で、新型の自動券売機や旧来の自動券売機に何十人も人が並び、どちらにも駅員さんが張り付いて、長時間かけて説明したり、乗客の代わりに券売機の操作をしてあげたり…

 

惨状といわざるを得ない状況が繰り広げられ、JR東日本は、何でこんなことやってるんだ…

 

と暗澹としたことがありました。

 

このことに関して、どうしてJR東日本が、こんな無茶なことをしたのかという記事がネット上に出ていました。

 

「みどりの窓口削減計画」はなぜ大失敗したのか…JR東が誤解した「5割がえきねっとを使わない」本当の理由(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース

 

私が、なるほどなと思ったのは、

 

・JR東日本は、一気にオンライン販売、チケットレスへ移行したい

・えきねっとをその受け皿にしようと考えた

・でも、えきねっとは、きっぷを発券する側の思考で組み立てられていて乗客の「知りたい」「買いたい」ニーズと一致しておらず、乗客の本当に必要なきっぷにたどり着かない

・JR東日本は、一刻も早く合理化を進めたいから、自らの都合で時代の趨勢に便乗して強制的に進めようとした

 

という点でした。

 

以前、このブログでも何度か書きましたが、

 

えきねっとの失敗 | 地味なおじさんのブログ (ameblo.jp)

これはひどいえきねっと | 地味なおじさんのブログ (ameblo.jp)

 

えきねっとは一般ユーザーからは非常に使いづらく、ネット上でできると書かれていることでもできなかったりするので、窓口の代わりになるものではありません。

 

みどりの窓口の機能の一部は代替できるという程度です。

 

私もそこそこネットは使える年代ですが、えきねっとは本当に使いにくく、高齢者だったら絶対無理だろうな…と思うこともしばしばです。

 

そんなこともあり、社会に混乱を引き起こしたこともあって、JR東日本はみどりの窓口の削減を凍結したのだと思います。

 

先ほどの記事にあったのですが、

 

2001年のJR東日本の社長が

「私は、常日頃言っていますが、ある物事をやるかやらないか迷ったときは、お客様の利便性が向上するかしないかという視点を常に持てば、答えはわりと簡単に出てくるものです」

と話していたというのが非常に印象的でした。

 

ネットシステムを導入することはお客様の利便性が向上することだとは思いますが、みどりの窓口をなくして使いにくいネットシステムを使うことを強要することは、この社長の言葉には完全に反していると思います。

 

JR東日本は、一刻も早く合理化を進めたいから、この考えを忘れていたということなのでしょう。

 

ただ、今回、JR東日本が、窓口削減方針を凍結したことは

 

過ちては改むるに憚ること勿れ(あやまちてはあらたむるにはばかることなかれ)

 

という視点からは正しかったと思います。

 

JR東日本も、今回の問題を糧にして、利用者を犠牲にしない形で業務の改革を進めていって欲しいと思います。