48.自分を信じる(長男との対話7)
長男が言葉を発する
「自分が言ったことを結果としてできなかったのは、自分が甘えていたと自覚している。信用してもらえないのもわかるが、それでも僕は反省して、足りない学費をアルバイトで稼ぎ、大学を続けて行く」
「決して無理じゃない。どんなに辛くても絶対に、僕は僕を信じます」
わたし
「わかった」
「そこまで、大学に行きたいのであれば、いまの学部が難しければ、他の学部へ編入ということもできるんじゃないか?」
「そういう選択もある。お互い調べてみよう」
ずっと見守っていた
長男自身が常に「変わりたい。強くなりたい」と言った言葉を信じ続けようと思っていた
いずれ、わたしは先に死ぬ
先にいなくなる
長男は大学生になった
「強くなって欲しい」
この気持ちが、先走りすぎたのかもしれない
春休みになった
長男は、学費の足りない分を稼ごうと
アルバイトに励んでいた
わたしは、長男のバイト先へ
ばれないようにコッソリ見に行ったりもした
長男の頑張っている姿をみた
「大丈夫…大丈夫だな…」
「なんとか頑張れるな…」
でも
長男の本当の心の内を知ることができなかった
長男が心の内を話しても
わたしに受け入れてもらえないだろうと思ったのかもしれない
……
長男とわたしは
入学式で見た
あの鮮やかで咲き薫る桜の樹を
もう一度、一緒に見ることはできなかった…
…続く…
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