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【過去の気持ちを救ってくれた言葉】
 写真は、認知症の人と家族の会新潟県支部主催 世界アルツハイマーデー記念講演会で、認知症だった祖母との思い出を交え『会員の発表』の時間にお話しさせていただいた時の様子です☺️今日は発表した内容を少し書いてみたいと思います。

 祖母の介護の中心は両親や叔母で、私はサブ的な立ち位置でサポート(通院・入院の付添や見守り・話し相手等)していましたが、うまくいかないこともたくさんありました。

 当時の仕事柄(看護師でした)、症状だから仕方ない…祖母には祖母の事情があるんだ…と頭では分かっていましたし、こんな出来事は『些細なこと』、みんなもっと大変なんだ…と思っていました。

 だからうまくいかないことがあるたび『看護師なのに、勉強してきたのに、こんな些細なことにもちゃんと対応できない私が悪い』というモヤモヤした不甲斐なさが積み重なり、でも誰にも言えずに蓋をしつつもその気持ちを引きずりながら過ごしてきました。

 祖母が他界して数年…前職での仕事をきっかけに家族の会の『つどい』(家族交流会)に時々参加するようになり、そこで出会った方に『あなたも誰かみているの?』と声をかけてもらったことがありました。

 大したことはないのですが…と強調しながら、少し祖母との思い出をお話ししました。

 その方はただひと言
『あなたも、大変だったのね』
と言ってくださいました。

 客観的に見て、私よりずっとずっと大変な経験をされてきたであろう方にそう言われ、私はとても驚くと同時に
『あの時の私は、大変だったんだ』
『大変だった、って言っても良いんだ』
と心が緩んで涙が溢れそうになったのを覚えています。

 不思議なことに、その後、祖母とのエピソードを思い出すと『急に怒られて悲しかった』『何回も同じこと言われてイライラしちゃった』と引きずって来たモヤモヤを、紐解き、振り返ることができるようになりました。
 
 モヤモヤを言葉にすることで、自分自身に『あの時は大変だったよね、悲しかったよね、イライラもするよね』と言ってあげられるようになり、少しずつ昇華していく感覚が得られるようにもなりました。

 あの時つどいで出会った方から掛けてもらったひと言は、過去の私の気持ちを受け止め、優しく寄り添い、救ってくれました。
 
 今、認知症支援に関わる活動に参加していますが、その原点となっている出会いです☺️

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