*前回の続きです
自分たちの斜め前に座った仕掛け人の女性は普段の俺なら確実に2度見するぐらいの美女だった。
しかし今の俺はドンヘのたくましい太い腕に自分の手を絡ませながら、すごく近い距離で見慣れたドンヘの整った横顔を見つめていた。どれぐらい近いかというとドンヘが顔ごとこちらを向ければ鼻先がくっつくぐらいだ。
ドンヘからしたら話している途中でいきなりこんな行動をとってきた俺の意味が解らないだろう。泥酔しているならまだしも、アルコールを飲んでいない俺がこんな風に甘えたりするのは0に等しい。特に同い年で親友のドンヘにはめったに甘えたりしないし、なにより人気がないと言ってもここは店の中。普段ならプライベートで、ましてや外でなんてありえないし、逆にドンヘが俺に必要以上に触ってきたりべたべた甘えたりしてきても相手にしないか、文句を言いながら離れている。
なのに、いきなりイベントやステージ上でやっているファンサービス以上のスキンシップをしてきた俺に戸惑うなというほうが無理だろう。
予想していた通り、ドンヘは状況が全然つかめていないというような声を出していたし、耳までまっかになっている。かわいそうになってくるぐらい動揺しているドンヘに良心が痛むが、これも逆ドッキリのためだ。許せと心で謝る。
「ど、どどど、どうしたのっ?!ヒョク、酔っちゃったの??」
「ぷっ。・・・俺、今日はお酒飲んでないじゃん。お前と同じコーラしか飲んでないだろ。」
そうだよね。じゃあこのコーラにアルコールが!?いやでも、俺も飲んだけど全然大丈夫だったし。あれ、えっと。うーん。
一人でテンパりながら慌てふためくドンヘが面白くてついつい意地悪したくなる。
「でしょー。なに?なんか俺変かな?・・・・・ひっつかれるのいや?」
笑いそうになるのを必死にこらえながら、自分ができる限界の猫なで声でドンヘに聞くと、これでもかってぐらい首を横に振っている。
「いやいやいやいや。そうじゃなくて、いつもとなんかヒョク違うくない?!いつも俺がひっつくと嫌がるのに・・・。もしかして具合悪いの?」
もともと人に迷惑をかけたり、困らせたりするのが苦手で嫌な俺は本気で心配してくれている目の前のドンヘに胸が痛んだ。一瞬顔を下に向けてうつむいてしまったが、これが番組だということとドッキリを成功させるという使命を思い出し、良心は捨てることにした。おまけに羞恥心も。
「大丈夫だよ。・・・・・いつもは恥ずかしくてできないだけで、本当は俺だってドンヘに甘えたいんだよ。だから今日は素直になろうと思ったんだけど、ドンヘが嫌ならやめる。ごめんね。」
「っ!ほんとにっ!?嫌じゃない、嫌じゃない!!俺だっていつでもヒョクに甘えてもらいたいし!・・・・なんだか今日のヒョクチェ別人みたい。可愛すぎて心臓もたないよ。」
自分で言っておきながら男が親友の男に対して言った内容に俺自身鳥肌が立ちそうになったが、当の本人はそれ以上に恥ずかしい言葉をかけてきた。しかも後半はいかにも悶えてます!みたいな声で。・・・・・気にしたら負けだ。
とりあえずいつもと違う行動の俺には疑問を抱いていない様子に一安心する。ちらりと仕掛け人のお姉さんのほうに視線を寄せると、これでもかってぐらい目を見開いて呆然とこちらを見ていた。この様子だと隣の部屋で隠しカメラの映像をモニター越しに見ているMCやゲスト達も同じぐらい驚いているだろう。いくら俺たちが世間でウネというカップルで扱われていてもそれは当然ビジネスであり、ファンサービスの上でなりたっているのは承知の上だろうし、いくら俺たちが私生活で仲が良くてもプライベートでは男女のカップルのようにはべたべたしないと思われていて当然だ。
しかし、ドンヘは俺に限らずとも本当に心を許した人間にはプライベートでも子供の様に甘えてくる。だから俺からドンヘに恋人の様に甘えれば他の人間には立派なラブラブカップルに見えると思ってこのドッキリ計画を立てたのだ。
くくくっ、ドッキリ成功だ。
しかしまだネタばらしするには早い。予定ではソニヒョン(PDの名前)がやってきて、それでもいちゃいちゃするのを止めずにいる俺にドンヘが焦ったところで隠しカメラに向かってドッキリ大成功◎!!と書かれた紙を見せることになっている。
何とも言えない甘ったるい空気の中でドンヘの肩に自分の頭を寄せながら次の行動を考えていると、ドンヘが自身のカバンの中を引き寄せてごそごそ中を漁りだした。
「んーーとね。今日ちょうどヒョクチェに中国のお土産持ってきたんだけど、・・あっ、あった!はいっ、これ。」
「新発売☆イチゴ増量の甘々特大ポッキーにイチゴ味のチョコビ・・・。」
うきうきと5、6箱の中国語で書かれたいろんなイチゴ味のお菓子を渡してきたドンヘに心の中でため息をつく。この前移動中のバンの中で食べたお菓子の中にこのお土産のお菓子と同じのが入っていた気がするのだが。たぶん韓国でも販売されているお菓子なのだろう。
それでもお土産を買ってきてくれたのは普通にうれしかったし好きなお菓子ばかりだったので、とりあえずいろんな視線に怪しまれないように大げさ気味に喜んでおく。たぶんこの様子をメンバーたちが見たら爆笑もんだろう。
「あ、あとさー。俺、このお菓子食べたことないんだよねー。ゲームしながら俺と一緒に食べない?」
「・・・これ?」
もじもじとドンヘにしてはめずらしく恥ずかしげに差し出してきたお菓子は例の特大ポッキーだった。嫌な予感がする。
ドンヘは袋からポッキーを1本とりだし端っこをくわえて反対の端をこちらに向けてきた。
「はひっ。ヒョフチェどーぞ。」
くわえながらこちらに照れた顔を向けてくるドンヘにさすがに引きそうになる。なにが悲しくて男同士でポッキーゲームをしなければいけないのか・・・。
しかし俺たちの関係がよりリアルに見えるためには仕方がないと思い、黙ってくわえる。それにちょうどカメラの死角になって本当にキスしているように見えるかもしれないし。なんてことを考えながらゆっくりかじっている間にどんどんポッキーは短くなり、鼻がくっつきそうなぐらいの距離になった。そしてあっという間に唇と唇が軽く触れた。
バラエティーなんかでこういう口と口との接触事故みたいな経験は男同士でもよくあったので、まぁ軽く触れるぐらいいっかとバラドル魂でそのまま動かずにいれば、ドンヘもそこからピタリと動かなくなった。
どうしたものかと視線をあげると妙に熱を含んだ視線と目が合う。近すぎる距離に、見つめた瞳の奥にある感情に嫌でも気づいてしまった。
ドンへは欲情している――
焦って離れようとした俺の後頭部を逃げないようにしっかりと掴み、キスがどんどん深いものになる。さすがにやばいと感じるがキスに翻弄され頭に酸素がいかない状態でパニックになり、どうしていいかわからなくなる。ドッキリと言ってもさすがに男同士でディープキスはやばい。この暴走しているバカをどうにかしないと!
「んっ。はぁ。ヒョク、俺― 「これじゃあ放送できねーだろーが!!」
やっと唇が離れた隙にドンヘが何か言いかけたが、パニックになっていた俺は大声で叫びながらドンヘをふっとばした。それはもう気持ちいいぐらいに。
・・・・・・・・・・・。
俺が放ったその一言で俺以外の全員がぽかんとしている。ドッキリを仕掛けた側のスタッフも。
落ち着いてきた俺はとりあえずこの場から逃げ出したくなりました。
後日、結局一部編集してこのドッキリ企画は放送されてしまった。しかも放送後の反響がすごすぎて、ペンの間ではしばらくヘウンイズリアルという言葉がとびかっていた。
ヒョクチェはというと番組を見たメンバー全員からからかわれ続け、ドンへはあれ以来ずっと機嫌が悪くなかなか許してもらえず必死に謝り続け何でも言うことを聞くという条件を約束させられて、いつも通りのドンヘに戻るのに3カ月かかった。
心身ともに疲れたヒョクチェはもう二度とドッキリなんて、人を騙すなんて真似はしないことを心に誓ったのだった。
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NO MORE!“もうやめてっ!”
いろんな意味でもうやめてっ!という意味でつけました。主にウニョクさんの心境です。
こんなドッキリ番組作ってくれないかなー、無理かなー(・3・)なんてわりと本気で思ってます。こんなの放送された日にゃ、全世界のウネ・ヘウンペンが出血多量で死にそうですけど笑 でもいつかこれに近いことをやってくれると信じてます(真顔
いやいやでもね、ドンヘのWeiboにupされてた写真とか・・・・ね?(-_\)(/_-)三( ゚Д゚) エー
ヤバイですやん。ウネ信者が吐血するレベルですやん。
本当にプライベートでも仲がいいんですね。うんうん。公開でイチャイチャ、ウネウネ。妄想の糧になります^p^ゲへへ