はじめに


みなさんは「いくら周りが騒がしくても、自分の名前を呼ばれるとはっきりと聞こえる」「雑談中でも必要な事柄は聞き取れる」という体験はありませんか?

関係ない話は騒音で全然聞こえないのに、必要な事柄だけ聞こえるのは不思議ですよね

「必要な事柄を、騒音の中でも聞き取れる」この不思議な現象を、心理学ではカクテル・パーティ効果と呼んでいます

このカクテル・パーティ効果

実は、恋愛マーケティングにも活用できます

今回は、そんな意外にもいろいろな活用法があるカクテル・パーティ効果について少し詳しく書こうと思います!!

▽目次

・カクテル・パーティ効果とは
 -カクテル・パーティ効果が起こる理由
 -カクテル・パーティ効果の影響
 -実はこんな弱点も、、、
-チェリーの実験

・カクテル・パーティ効果の活用法
 -活用してみよう!
 -恋愛に活かす!
-マーケティングに活かす!

・まとめ

・参考文献


カクテル・パーティ効果

カクテル・パーティ効果とは、大勢の人が雑談をしているなかでも、自分に必要な事柄だけを選択して聞き取ったり、見たりする脳の働きのことです

もう少しカクテル・パーティ効果を詳しく説明すると

音声情報を無意識に選択し、聞き取れる現象「音声の選択的聴取」のこと
-1953年 心理学者 コリン・チェリー

このように言われています

「カクテル・パーティ効果」という名前になったのは、パーティーの騒音の中でも、相手の声を判別できることからこの名前が付いたと言われています

またカクテル・パーティ効果は、脳の「選択的注意」というものによって生じます

この選択的注意は、迷信にも作用しています

僕が小学生の時にこんな迷信がありました

クロッキー(車のナンバープレートの下地が黒、数字が黄色)の車を7台見つけると願いが叶う

小学生の頃は、必死に探していたので何台も目にして「こんなにお願いが叶ったらどうしよう」とか考えていたのですが、今となっては気にも留めていないので目に入りません

これを振り返ってみると、意識すれば視界には入ってくるが、意識が薄れると視界に入ってこない

つまり、脳が取捨選択をしているということが分かります


カクテル・パーティ効果が起こる理由

なぜカクテル・パーティ効果が起こるのか

それは、脳のパンクを防ぐためだと言われています

五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)から得た情報を、全て認識して吸収をしていたら脳が疲れてしまいます

例えば、スクランブル交差点を渡るとき

看板の文字などすべて読み、会話している人達の内容がすべて聞こえ、自分の脇を通る人のニオイを理解し、、、などと考えるだけで酔ってきますよね

脳はその多大なる情報の中から、自分に必要な情報だけを取り出して、その他の情報はシャットダウンしています


カクテル・パーティ効果の影響

カクテル・パーティ効果は、視覚にも影響します

目的のお店の看板が目に飛び込んできたり、ずっと買おうと思っていたモノやその関連グッズがよく目に入ってきたりする経験があると思います

その視覚的現象を「カラーバス効果」と呼びます

カラーバス効果は
「色(color)」「浴びる(bath)」と、色の認知に由来するのですが、言葉やイメージ、モノなどの意識するあらゆる現象に起こります

このカラーバス効果の裏を返すと「意識してないモノをはじく」ということになります

書類の誤字に気が付けなかったり、一度通った道でも、特定のモノを意識した途端に「この道にこんなお店あったんだ!」などと思うのは、他のことに意識が向いていたからと説明できます


実はこんな弱点も、、、

「あのヒソヒソ話はきっと自分の話だ、、」そういう風に気になってしまうことはありませんか?

それも実は、カクテル・パーティ効果のせいなんです

脳が「あのヒソヒソ話は自分に関連している」と認識しているため、他にも意識できるものがあるのにヒソヒソ話だけ選出し、聞き取ってしまう傾向があります

周囲の目が気になる時期だったり、自分を悲観している時期だと、脳がその情報について意識してしまうため、普段の元気な時には気にならないヒソヒソ話も気になってしまうんです

この場合は、意識しないようにすると余計に気になってしまうので、読書をしてみたり、音楽を聴いてみたりと、違う事柄に意識を集中してみるのも解決策です


チェリーの実験

カクテル・パーティ効果は、古くから知られており、注意研究の先駆けと言われています

選択的注意の研究は、チェリー氏とブロードベント氏の二人がそれぞれの研究を元にした選択的注意のフィルター理論からスタートされています

今回は有名なコリン・チェリー氏の実験をご紹介しようと思います

-実験内容-

①被験者の左右の耳に同時に異なる音声を聴かせ、片方の耳(ここでは右耳にします)に注意を向けるよう指示する

右耳から流れるワードを復唱させる(追唱法)

-結果-

・右耳から聞こえるワードを混乱することなく言えた

→左耳から関係ないワードを出しても、意識していないので邪魔をしなかったことが分かる


この後チェリー氏は、意識していなかった耳(ここでは左耳)から聞こえたワードを報告させるが、ほとんどの被験者が答えられませんでした

この結果から、注意を向けていない情報は早い段階から、脳の入力情報にフィルターがかけられ、なかったことにされるということが分かります

補足:(正確には、無かったことにされるのではなく、フィルターがかけられると失われ、意味処理まで行きつくことができないということです!

活用してみよう!!

ここまでの流れで何となく気が付いた方もいると思います

「カクテル・パーティ効果を使えば、相手からの印象を操作できるのではないか」

実はそうなんです

カクテル・パーティ効果は、恋愛にもマーケティングにも活かせる必殺技です

アニメ「ワンピース」で言えばボア・ハンコックの「メロメロメロ~!」ですね(笑)

この必殺技を習得して、物事を有利に進めてみませんか?


恋愛に活かす!

ここでいう恋愛とは、付き合うまでのことを言います

恋愛に発展するには、まず相手の方に自分のことを意識してもらうのが初期段階です

意識と言っても「この人いいかも、、」みたいな恋愛感情の意識ではなく、その人に「認識」してもらうという意味です

婚活パーティーや合コンなど大勢の人がいる中で、自分を認識されていないと、いくら話しかけたり、かわいい&かっこいい行動を取っても、その人の中ですぐに記憶から消えてしまいます

大勢の人の中で気になる人の記憶に残る為にカクテル・パーティ効果が活用できるというわけです!

その気になる人に「認識」してもらうための秘訣は

①相手の名前を頻繁に呼ぶ

②相手が気になるワードを出す

これだけです!

「たった2つだけ!?」と拍子抜けする方もいるかもしれませんが、この2つを意識してやることで、相手が自分を認識してくれる可能性があります

複数の同性がいる恋愛番組で、人気な子が周りと差を広げている点は、上の2つのポイントを自然と使っていることが多いです

カクテル・パーティ効果は「自分に必要な事柄を選別して聞き取ること」

それが活かされるということです

なぜ①と②を意識して行うことで相手に「認識されやすくなるのか」を少し解説しようと思います

①相手の名前を頻繁に呼ぶ

気になる人に名前を呼ばれてうれしかった経験はあると思います

名前を呼ばれると「自分に興味を持ってくれてる」「自分のことを覚えていてくれた」など気になる人だと特別感が生まれますよね

ホストクラブや、キャバクラ、ちょっと系統が違いますが、お得意様がいるお店などは名前(苗字など)で対応したりしてますよね

あれは、相手の方に特別感を与えるのが目的の一つです

それを恋愛にも活用して、会話の中でさりげなく名前を呼んでみると、相手の方に好印象を与えることもでき、また自分のことも名前で呼び返してくれる可能性があります

名前呼びをお互いすることで、距離を縮めることができるので効果的です

しかし、あまりにも呼びすぎたり、いきなり名前呼びしたりすると警戒される可能性もあるので、程よい距離感を掴むのが大切です


②相手の気になるワードをだす

ショッピングモールなどの人混みでも、自分が興味ある話だと耳に入るように、興味のない話よりも、興味のある話のほうが相手の耳に入っていきやすいです

ですので、婚活パーティーなどで相手の気が逸れた時は、気になるワードをだすと繋ぎとめることができるかもしれません

またそのワードに相手が食いつけば、相手からどんどん喋ってくれるので聞き手に回ることができます

その聞き手に回っている間に、相手の情報をさらに増やすいい機会になるかもしれません


マーケティングに活かす!

カクテル・パーティ効果は、ビジネスにも役に立ちます

①ターゲットの具体化

例えば写真屋さんで「記念写真を撮りましょう!」という広告と「100日記念や入学式の時は写真を撮ろう!」という広告があったとします

前者は、その広告を見た人の「記念」という概念を委ねてしまうため、訴求力が弱まってしまいます

しかし後者は「100日記念」「入学式」というワードを入れ具体的にアピールすることで広告を見た人に「記念日」というのが具体的なイメージとして想起されます

上記の例のほかにも、野球観戦やお祭りなどにいるビールの売り子の「ビールいかがですか~!」の一言より、「あつい夜に、キンッキンに冷えたビールはいかがですか~!」のほうが訴求力があると思います

あつい夜には、冷たい飲み物を求めるので「キンッキンに冷えたビール」というワードがカクテル・パーティ効果によって耳に飛び込んできます


②求めているワードを散りばめる

よく化粧品のパッケージで「つや肌」「毛穴隠し」「ニキビに効く」などの単語が書かれていると思います

これもカクテル・パーティ効果の視覚効果を利用した例です

日頃から気にしていそうなワードを書き入れることで、ターゲットの目に留まりやすくなります

これは色んな広告にも使われることなので、チラシやパンフレット、広告を見た時に「こんな話していたなぁ」と思い出してみてください!


まとめ

いろんな活用ができる必殺技「カクテル・パーティ効果

自分が現在、どれに注意を向けているかで大きく左右されるということが分かりました

また、ネガティブなことばかり気にしていると、身近に起こっていた良いことも意識の外へ消えてしまうこともわかりました

せっかく注意を向けるなら「良い事」に注意を向けて過ごしていきたいものですよね

今回は、活用方法として恋愛とマーケティングについて少し書かせて頂きました!

書いたものは、ほんの一部でしかありません

ぜひ色々な分野での活用をしてみてください!



<参考文献>

『認知心理学』第四章p69-70 著:川端秀明