
いろんな趣味の道に入る前、私はいつもその道の“師匠”の著作を読んで基本的な知識を勉強することにしている、というか、その人の著作が趣味の入口になっている。クンフー映画は日野康一氏や知野二郎氏、非ハリウッド娯楽映画系は大畑晃一氏、ルチャリブレは清水勉氏、そしてSF・ホラーを含む超現実映画は聖咲奇氏である。怪獣映画が好きだった幼少時代から数えるともう随分、聖氏の監修・著作本は読ませてもらったけど、今から紹介する彼が監修した子供向け書籍『世界の大怪獣ものしり大百科』(桃園書房)が今現在の私の嗜好を形成したのではないかと考える。
この本を最初に買ってもらったのはのは6~7歳頃だったと記憶している。ケイブンシャの怪獣怪人大百科や小学館の怪獣図解入門は当時から読んでいて、結構怪獣好きだったが、この本は海外の怪獣までが紹介されていて今思うとかなり進んだ本だった。金星ガニやイーマ竜を覚えたのはこの本が最初じゃなかったかな?だんだん歳を重ねるにつれこういう本はボロボロになり、いつしかなくなってしまったが、この頃に得た知識は大きくなってからも役にはたった。いろんな特撮関係の書籍を読んだが、いつかもう一度入手したい本ナンバー1だった。それが3~4年前、偶然に古本屋で出てたのを見かけた時、すでに本のタイトルも覚えていなかったが表紙を見た瞬間、数十年前の記憶がパァッと戻って本能が「この本だ!」と叫んだので即ゲットした。帰りの電車の中でパラパラとめくってみると、記憶に残っている本の内容とドンピシャリ!おぼろげではあったがレイアウトまで憶えていたのは自分でもビックリした。とにかくこの本が数十年ぶりに手元に戻ってきたのはすごくうれしかった。
いろんな趣味を経験し、再び読んでみると、海外の怪獣映画やマイナー系の日本特撮映画まで網羅していたのには驚かされた。メリエスのトリック映画や50年代に大量生産された怪獣映画、日本の新東宝、大映の怪人ものなど、当時はおろか今でも絶対会話には出ないであろうものばかり。そして怪獣以外にもアッカーマン邸紹介やドン・ポスト社のモンスターマスクの紹介など子供向きを遥かに超えた、超現実映画の基本を押さえるうえでの最良のテキストとなっている。咲奇さん、小学校に上がる前の子供にこんな煽情的な内容の本を読ませちゃ駄目だって!でも、未知の世界への指針をつけてくれてホント感謝しています。