分離不安障害のある10歳の二女は変わることに大きな不安を感じます
「分離不安障害」とは愛着のある人や場所、ものと分離されるまたは、分離が予測されるときに過剰な不安や苦痛を感じることです
いつも通りの部屋の中でも、長くそこにあった愛着のあるものが変化しようとするとき、娘は不安になります
娘がブロックで作った町が、我が家には二つありました
ひとつは、小さなブロックを使った力作
ロープウェイや畳の部屋まであります
もうひとつは大きめのブロックで作られた滑り台や隠れ家のあるもの
リビングの床の上で作られたこちらの町は小さな妹も遊びやすく、しばらくそのままにしておきました
二女はいつもそれらで遊ぶわけではありません
でも娘はその町がいつもあるということに愛着がわいていました
何かの拍子で一部が壊れると、黙々と手直ししました
リビングだということもあり、家族は「片付けよう」と声をかけますが、とたんに黙ってしまいます
娘にとっての、「そこにそれがある」ことの大事さは誰にも分かりませんでしたが、きっととても重要なことなのだろうということだけは分かりました
幸い我が家の環境では、その町を部屋の隅に残しておくことは可能でした
家族もたまに声はかけましたが、無理強いはしませんでした
ある日、二女は
「これが無くなったら部屋が広くなるかな」
と言って、何かに別れを告げるように、ブロックの前に座り一人静かに町を片付けました
周りから見れば、大したことじゃないと感じることでも、誰かにとってはとても大きな意味があることってありますよね
何かもっと大きな、失いたくないものへの不安を感じないために、無くしても自分には何も起こりそうにないものの存在を守ろうとしているのかもしれません
我が家のもうひとつの町は、今でも姉妹の癒しの場所になっています
箱庭セラピーというのもがあるくらいですから、小さな町や人形を通して広がる世界にも意味があるかもしれませんね🎠