父は、母の看護を自分だけで背負いたくない為、私を外に出したがらなかった。
せめて一晩家から離れたい、と云っても、どうせ母のことが気になるだろうから~と
遠回しだが強固に反対した。(一人で看るのは心細い、とハッキリ言ってくれればまだよかった)
私にお見合い話が来たらしいのだが、今は困る、と断ったそうだ。(他界後に別の方から聞いた)
しかし周囲には、母の看護は父だけでしているように話していたのだ。
だから、今でも父が一人で母を看ていた、と思い込んでいる方もいる。
子供の頃から父のそういう面が赦し難かった。
何かに対して反論のような意見があると、母に言わせるよう仕向けていた。
そんな時は、私はそんなこと考えていませんよ、妻ですよ、という顔をしているのだ。
自分だけがいい人に思われたい気持ちが強く、妻子さえ悪者?にしてしまう。
子である私にとっては、情けなかった。恥ずかしかった。
だから似たような面を自分にも見付けると、とても厭な気分になるのだ。