知識人論②:サルトルに学ぶ
存続が危ぶまれた、知識人論②。③はないかもです。
"The Intellectual"の中の知識人の例としてでてくるのがサルトルである。同級のアロンと並び、最後の章でも詳しく取り上げられている。その章とほぼ同じ内容はネットでも読める(英語です)。
http://www.project-syndicate.org/print_commentary/fuller3/English
サルトルの実存主義ぐらいは、高校の倫理の授業で習ったと思うのだが、私は正直なところ「実存」→「なんか響が根源的そう→「難しそう」→(飛躍)→「暗い」という単純な思考回路をめぐり、その著作に触れる機会はなかった。 The Intellectualで語られているのは、サルトルが哲学だけでなく、小説も雑誌も新聞にも書いてたことや活動に熱心だったことである。 ちなみに、今年はサルトル生誕100年なのだそうだ。フランスではどんな振り返られ方をしたのだろうか。日本ではたしか、岩波新書がでてたと思う。これを機にサルトルについてネット上で読めるもの(日本語)で少し探してみた。
松岡正剛の千夜千冊 ジャン・ポール・サルトル
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0860.html
松岡正剛さんのサルトル論というかサルトルを読んできた回想は、かなり良いエッセーだった。松岡さんのサルトル体験とやはり同時代を生きていたというところに説得力がある。それにしても、彼らの世代はみんなマルクス・レーニン主義の経験があるんだなぁということ(インテリ学生だけかもしれないけど、数にしてみたらかなり膨大だろう)をまた感じてしまった。松岡さんは編集術なんて本(おもしろい本です)を書いているからといって、マルクスと無縁だったわけではないのだ。社会学者の大澤真幸さんも、昔はマルクスが共通の土台にあったからどんな人とでも議論ができたけれど(大澤さんの時は、まだかすかに残っていた)、今の若い文系学生はそういうものがないから大変だ、なんてことを書いていたけれど、確かに当たっている気がする。いまの学生達の共通経験はなんだろうか・・・「ポストモダン」かな。これは、つらい!
サルトル論(菅野盾樹)
http://www33.ocn.ne.jp/~homosignificans/sartre.htm
そして阪大の菅野盾樹さんのサルトル論は、よりアカデミックな書き方。でも、「サルトルは、人間の意識が・・・」なんてくだりのところなんかは、松岡さんの文章とのつながりを感じる。サルトルが伝記を3つも書いているところも、何でも屋のインテレクチャルの属性になるのだろうか。