英研究ニュース:オープンアクセス、BMJの癒着、RAE、等 | hillbridge

英研究ニュース:オープンアクセス、BMJの癒着、RAE、等

サイコムのメルマガ用にまとめたものが届いていなかった・・・。

http://scicom.jp/mailmag/


結局間に合わず・・・。

うちの大学のメールは本当に信用ならん。


来週に載せていただけるかもしれませんが、ここにアップします。


英研究ニュース 7/3

■ウェルカム・トラストなど科学界の一部も後押ししている学術情報のオープン・アクセス化ですが、Research Councils UKというイギリスの国の研究費の振り分けを行っているところからもオープン・アクセス化の方針が出されました。出版業界からの懸念も示されており、コストとベネフィットをしっかりと検討しながらシステムの転換をすすめていくのだと思われます。

■それにしても、British Medical Journalの元編集者の告発はびっくりしました。今までも製薬業界と科学者の癒着は幾度も報道されてきましたが、BMJという一流科学雑誌の編集者から語られるとその重みはまた一段と重くなります。ただ、メディカル・ジャーナルを批判するだけでなく、変革していく可能性に望みを持っているところが、救いでもあります。ちなみに彼もオープン・ソース化推進派です。

■イギリスの大学では2008年に行われるRAEへの準備も熱が入ってきているようです。それは端的に論文数に表れているだけでなく、アカデミック社会内での女性の平等が指標になるなど、制度内部改革につながってもいるようです。ただ、学者や大学の評価については研究と教育のバランス、ジャーナルのランク付けなど、議論も続いています。

■さて、今週はG8の話題がメディアを占拠するでしょう。なかでも温暖化の問題は、ブレア首相の動きによっては、アメリカの孤立化を招くかもしれないとの記事もあり、一つの焦点となりそうです。(岡橋)


政策
●Government reveals R&D tax credit spend for 2004
http://www.researchfortnight.co.uk/getPage.cfm?pagename=ResearchDay&lang=EN&type=UK&Publication=Research%20Day%20UK&Issue=2345

▼The value of the small firms tax credit for R&D was £259 million last year, reveal government statistics published yesterday.大蔵省は、引き続きイノベーションを支援していくためのプログラムに投資していくことを強調。


オープン・アクセス
●Research councils back free online access
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1517380,00.html

●Funding aid for open access
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1517116,00.html

▼研究費の振り分けを行っている機構であるResearch Concils UK(分野ごとにわかれていたものが組織統合したばかり)が、研究費をもらっている研究者に、研究内容を無料で公開するように義務づける予定を示す。数千人の研究者に影響する。研究雑誌にかなりのお金を使っている大学図書館にも朗報。早ければ10月から実施されるが、出版社の反発やコスト面での実現性など、議論は続いている。

●Don't tell us where to publish
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1519269,00.html

▼UK Research Councils(UKRC)のオープンアクセス化に反対するPublishers Associationの人の意見記事。UKRCの基本的な方針(アクセスを広く、チェックを厳しく、税金を無駄にしない、未来のため)には賛成しているものの、UKRCの言うようなやり方をして、いままでのようなレベルのピアー・レビューが保たれるのか、アクセスの問題の証拠がしめされていない、システムが上手く機能するのか、などの懸念をしめしている。


●Open access online veterinary journal launches
http://education.guardian.co.uk/elearning/story/0,10577,1496118,00.html

▼オープン・アクセス出版社であるBioMed Centralが、BMC Veterinary Researchをはじめる。獣医学でははじめてのオープン・アクセス・ジャーナルになるそうです。ちなみに現在のところオープンアクセス誌は、アメリカ127誌、イギリス54誌で、人口比ではスウェーデンが一番多いそうです。


大学・科学者共同体
●Universities to draw up RAE equality codes
http://education.guardian.co.uk/RAE/story/0,7348,1518135,00.html

▼女性のアカデミック被害(アカセクハラとでもいえるでしょうか)についての指標が、次回の2008年のResearch Assessment Exercise(大学の研究評価)に盛り込まれるそうです。各大学には平等基準の計画を作成する義務が課されるそうです。
◆そういえば、個人的な会話のなかで、イギリスにいるアメリカ人の教官が、イギリスの教官選考はアメリカよりもとても簡潔なところはいいのだけど、選考過程が不透明なところが多く性差別が生まれやすいかもしれないと言っていたことを思い出します。

●A question of ethics
http://www.guardian.co.uk/life/interview/story/0,12982,1517194,00.html

▼Medical journals are an immoral marketing tool for drug companies, according to a former editor of the BMJ. Sarah Boseley meets him
▼去年の夏まで25年間の間、世界でも指折りの医学系ジャーナルであるBritish Medical Journal(BMJ)のエディターであったリチャード・スミス氏が、ジャーナルが医薬業界などのお金稼ぎのために使われていると告発。ピアーレビューのシステムの弱点を延べ、「研究へのアクセスを制限することで、お金を稼ぐのは不道徳である」として、すべての研究はひとつの無料データベースに載せられるべきだとして、Public Library of Science (PLoS)にも関わっている。メディカル・ジャーナルの良さも悪さも知り尽くしているスミス氏は、メディカル・ジャーナルが変革していく可能性を信じている。

●RAE raises UK journal activity
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2023013

▼数年後とにある大学評価(RAE)の時期に、学術誌で出版される論文数が多くなっている(グラフつき)。一流雑誌だけを評価する方向性(工学では主にカンファレンスで研究成果のコミュニケーションが行われていた)やサイエンス・サイテーション・インデックスが指標になるかどうか、教科書を書くなどの教育的な側面を低く評価しているのではないか、などの議論があるそうです。

●Ethics and the university
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2022446

▼The Council for Industry and Higher Educationが出版したばかりの大学における倫理についてのガイダンス本。

●Private sector muscles in
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2023005

▼イギリスにもプライベート・セクターの大学の波がきているようです。法律関係のトレーニングを提供する企業が大学設立をめざし、早ければ2006年に開設。


健康・医療
●From malaria to TB, top scientists get £245m to revolutionise world health
http://education.guardian.co.uk/higher/research/story/0,9865,1516418,00.html

▼ビル・ゲイツ夫妻の財団であるThe Bill and Melinda Gates Foundationから、世界的な健康の向上のための$450m (£245m)グラントをうける43のプロジェクトが発表される。マラリアや結核、デング熱などの治療法開発、冷蔵の必要のないワクチンの開発、などが含まれる。

●A bitter pill to swallow?
http://www.guardian.co.uk/life/feature/story/0,13026,1518154,00.html

▼通常の生活をしている人にとってはビタミンCの摂取は効果がないという研究結果など、サプリメントの効果については不確かなものも多くあるようです。もちろん、効果が実証されているものもあります。
◆個人的な意見としては、「栄養はサプリメントではなく、食べ物で摂取すれば」という意見は、サプリメントが頼られる実情を考慮していないと思うのですが、「サプリメントがあるから食べなくても大丈夫」という考え方は科学的な根拠がどうかということ以前に何か倒錯しているように思います。「食は人なり」(by 宮本常一)。

●Pacemakers to treat depression
http://www.guardian.co.uk/life/science/story/0,12996,1516143,00.html

▼脳のペースメーカーで、うつ病を軽減することに成功したというニュース。もともとパーキンソン病の震えの症状のために開発された手法で、頭に穴を開けて髪の毛より細いワイヤーを脳の奥まで差し込んで信号を送るそうです。治療手立てがなかった特に重いうつ病の方達には朗報だと研究者は言っています。

●Stem-cell capitalists unnerve scientists
http://www.thes.co.uk/current_edition/story.aspx?story_id=2023006

▼幹細胞研究について。成果を世に出したい企業と安全と倫理を気にする科学者と。。。


環境・エネルギー
●Power to the people
http://www.guardian.co.uk/life/feature/story/0,13026,1517187,00.html

▼Nuclear could be more expensive than we think. That makes renewables more attractive to Andew Simms

▼イギリスは10の原子力発電所を新しくつくるというプログラムを準備しているそうですが、そうした流れに反対し、コスト面やリスク面での効率を疑問誌する意見記事です。リニューアブル・エナジーのプロジェクトについても述べられている。<www.ashdenawards.org >

●Blair may snub US on climate
http://www.guardian.co.uk/life/news/story/0,12976,1519106,00.html

▼ガーディアン紙にリークされた文書によると、G8での温暖化についての話し会いでブレア首相がブッシュ大統領を批判し、アメリカが孤立する可能性があるという。アメリカは温暖化が進んでいるという科学的な見地すらも受け入れない構えだそうです。

●Racing's silent revolution: all whoosh and no roar
http://www.guardian.co.uk/life/feature/story/0,13026,1517195,00.html

▼スポーツカーの会社がQuinetiq社や大学と共同で水素自動車(LIFEcar)を開発すると発表。