小島剛夕『忠臣蔵』(ゴマブックス)が出た。と言っても純粋の新刊ではなく、1998年に講談社文庫から出たものの復刻だと思われる。絶版となって既に久しかったが、今年に入って電子書籍としてリリースされ、今回は紙媒体で復活した。

文庫版の発売は20年前だが、初出はさらに30年あまりさかのぼる。1964~65年に出版された貸本漫画「純愛忠臣蔵」シリーズである。
小島作品を丁寧に集めたサイト「小島剛夕の世界」によって見てみると、「純愛忠臣蔵」シリーズは、昭和36~42年に発行された「長篇大ロマン」という作品群のうちにある。
①お軽と勘平(S39.6)
②紅だすき素浪人(S39.8)
③忍法赤穂城(S39.12)
④若衆しぐれ(S40.2)
⑤元禄花見踊り(S40.3)
⑥さむらい雪化粧(S40.11)
本書に収めるのはこのうち②④⑤⑥。ただし、「元禄花見踊り」は明らかに途中からの収録である。他の作品も、どのくらい編集が加えられているかは定かでない。
「忍法赤穂城」はその後「忍法忠臣蔵」さらに「おぼろ忠臣蔵」と改題されて単行本化された様子である。
大長篇ロマン諸作品のタイトルや筋書きを見ると、黄金期の東映時代劇を想起する。ああ、そういう時代だったのだな。半世紀を経て版を新たにするというのも、意義のあることに違いないのである。