エアオプティクスアクア (Air Optix Aqua)
素材： lotrafilcon B
ベースカーブ： 8.6mm
直径： 14.2mm
含水率： 33%
中心厚： 0.08mm (-3.00D)
酸素透過係数（Dk値）： 110
酸素透過性（Dk/t値）： 138
分類： グループI
製造国：マレーシア
チバビジョンのシリコーンハイドロゲル。アキュビューオアシスの対抗品か。
エアオプティクスアクアの素材はlotrafilcon B。O2オプティクス（海外で言うところのNight & Day）はlotrafilcon Aなので、素材そのものはあまり違いがなさそう。O2オプティクスでは比較的硬いという声を聞くので、シリコーンがもつ酸素透過性を少し下げるのを覚悟して含水率を調節して装用感を上げたものだと思われる。（弾性率がO2オプティクスより下がっているが、アキュビューオアシスやバイオフィニティと比べるとまだ硬い）
チバビジョンはマレーシアとインドネシアにコンタクトレンズ製造工場を持っている。エアオプティクスアクアはマレーシアで、O2オプティクスはインドネシアで作られているっぽい。
海外では1か月装用として売られている国もあるので、あまりO2オプティクスとの差は無いみたい。（連続装用が1週間まで認められていたりする）。O2オプティクスであってもさすがに連続装用1か月出来る人は限られている（し、ふつうはやらないほうがいい）ので装用感が合うか合わないかの違い位なんじゃないだろうか。
また、サイズがO2オプティクスの13.8mmと比べるとエアオプティクスは14.2mmと0.4mm（約3%ほど）も大きい。アキュビューオアシスやバイオフィニティは14.0mmなのでそれと比べても少し大きい。サイズが大きいと違和感が少しでるが、レンズが安定するので光学中心が安定しやすい。つまり視界がクリアになるという話も聞く。（実際にどれだけ差があるのかはどこにも書いてないので本当のところはわからない。単なる製造上の都合だったりして）
チバビジョンではシリコーンハイドロゲル製品のケアには過酸化水素系を薦めている。推奨は自社製品のAOセプトまたはAOセプトクリアケア。以前、AOセプトの工場に問題が発生してAOセプトの供給がストップしたときはコンセプトワンステップを薦めていたので、やっぱり過酸化水素なんじゃないかと思う。
これは水分を引き寄せるためのプラズマコーディングによって、MPSの主成分であるPHMBをレンズにとどめてしまい、レンズ表面に高い濃度のPHMBがたまり、結果的に角膜ステイニングなどを引き起こすことが示唆されているからだ。どうしてもMPSを使うのであれば、オプティフリーなどのPHMBを主成分としないものを薦めている。
眼科でもレニューはダメ、MPSならオプティフリーかエピカがいいとのこと。
装用1日目、よく言われる付けた瞬間の違和感はほとんど感じない。直前まで使っていたのが比較的柔らかいバイオフィニティで、それに比べると確かに指先で触った感じは硬めなのだけれど、目に入れてみるとそれほど違和感は感じなかった。
ただ、長時間着けているとアキュビューオアシスやバイオフィニティと比べると「レンズが入っている」という感覚は結構感じる。チバビジョンでは2、3日で慣れるとしているが、さてどうなるか。
乾燥感もアキュビューオアシスやバイオフィニティと比べるとやや劣る気がする。エアオプティクスアクアは1日に2、3回目薬が必要だった。
レンズのケアはAOセプトクリアケアを使った。こすり洗いしなくてもよさそうだけど、ソフトウエアプラスによるこすり洗いが推奨されているのでMPSと同様にこすり洗いしてからケースに装着した。少し厚みがあって硬いせいかこすり洗いしようとすると指の先からすべって逃げていってしまう。いままで柔らかめのレンズが多かったせいか硬いレンズのほうがちょっと洗いにくい。
AOセプトクリアケアは最初のうちは結構中和ディスクから泡が出る出る。でもこのケース、内側（目に当たる方）にもちゃんと泡が入るのかな。レンズを乗せやすいように内側が少し盛り上がってるけど、ここにピタっとレンズがくっついているとその部分ちゃんと消毒されるのかどうか気にならないでもない。
2日目は、まずAOセプトクリアケアのケースから取り出したレンズをソフコンプラスですすぐ。過酸化水素系は初めてなので、中和が十分に出来ていなかったら恐怖だし、MPSでも装用前にすすぐのが当たり前だったので気分的に。すすぎにソフトウエアプラスを使わないのは界面活性剤が入っているから。ソフコンプラスはただの生理食塩水なのでおそらく無害だろう。で、付けてみたところまったく刺激がない。レニューやエピカだとちょっと刺激があるのだけれど、こちらは消毒成分ゼロのせいなのか目に優しい感じがする。レンズをケースから出すときにフタ側にレンズくっついていた（レンズからすると目にあたる方と逆）ので、ちゃんと内側も洗浄されているっぽい。
2日目の装用感は1日目と比べると午前中少し違和感が強かった。午後になるとそれも落ち着いてきてあまり気にならない。乾燥感はむしろ1日目より少なくて目薬を指す必要もなし。14時間を超えたあたりから少し目の疲れが気になりだした。といっても今日は特にPC作業が長かったからかもしれない。
今日もソフトウエアプラスで軽くこすり洗いしてからAOセプトクリアケアに投入。泡がたくさん出て見ていて気持ちいい。
3日目、きょうもソフコンプラスでしっかりすすいでから装用。しみるという感じは全くなし。自然にフィットするという感じ。
4日目はお休みでメガネにしたので、夜にもう一度AOセプトクリアケアの洗浄液を入れ替えて中和のやり直し。着けない日はソフトウエアプラスで満たしたソフトコンタクトレンズ保存液に入れておけばよさそうだけど、消毒効果がない液に漬けておくのも不安だしなぁ。ここでMPSに保存してしまうと、次にAOセプトで中和するときに泡が沢山で過ぎるとかいう話も聞くし。
5日目、きょうもソフコンプラスでしっかりすすいでから装用。最初のうちにあった午前中の違和感や乾燥感は全くない。レンズが馴染んできたのか。着けていることもそれほど気にならなくなってきたので、「最初のうちは違和感があるかもしれないが数日でなれる」と言われている通りの感じ。少し厚めで硬めのレンズにも関わらず、従来素材のワンデータイプと比べると明らかに負担が少ないように感じる。午後にちょっとうたた寝したらうっすらと乾燥感が。このレンズはうたた寝に弱いのかな。
6日目、いつもより多めにすすぐ。ソフコンプラスですすぐと装用したときにまったく刺激がないのがいい。とりあえず違和感・乾燥感無し。またうたたねで少し乾燥感。気分的な問題かもしれないがMPSのときより目への負担が少ないような気がする。エアオプティクスは違和感があるという話もきくが、そんな感じはほとんどしない。こすり洗いをして気づいたのだけれど、少しコシが弱くなっている気がする。こすり洗いしているときによれる感じがした。
7日目、きょうはメガネで目の休養。なんとなく朝起きたときに目が疲れている感じが強い気がしたのでコンタクトはおやすみ。
8日目、きょうもコンタクトレンズはおやすみ。気のせいか目の充血具合が減っているような感じがする。明日以降よくチェックしてみよう。
9日目、充血をチェックしてみたところ、やっぱり裸眼より少し充血しているみたい。ほとんど感覚的なものだけど... 装用感はかなりよくなってきた。少ししたの方のエッジが気になる時もあるけど、問題ないレベル。
10日目、きょうはまったく目薬が入らなかった。むしろ目が潤っている感じさえする。少し視力が出にくくなってきているような気がする。でもとにかく乾燥感がほとんど無いのがいい。きょうは着けていることを忘れていたくらい。14時間を超えたあたりから少しだけ違和感が。
11日目、きょうはメガネで一日を過ごす。
12日目、もう完全に慣れてきたのか、違和感はほとんど感じられない。目薬なくてもまったく乾燥感が無いのは素晴らしい。従来素材のワンデーだと12時間超えたあたりからかなり厳しい感じがして目薬必須だけど、シリコーンハイドロゲルはどれもそれほど乾燥しない。ただ、約16時間装用後に鏡で目をよく見てみると、白目の部分が結構充血していることに気づく。きょうは外出が多く、どちらかというとPC画面を見ている時間よりも遠くをみている時間が多かった。外出して風にあたったりもしたので乾燥感はほとんどなかったが、目へのストレスは大きかったのかもしれない。
13日目、きょうもメガネ。結構メガネの日が多いなぁ。
14日目、朝の装用感は問題なし。昼寝を30分くらいしたらちょっと乾燥感が。目薬さしてみるも、左目のしたの方と右目の右下あたりにちょっと違和感残る。ただきょうはちょっと疲れ気味なのでそれも影響しているかもしれない。午後も少し違和感あり。海外では1ヶ月交換タイプとして売られている国もあるから下手ってきたわけじゃないと思うけど... やっぱり裸眼よりは目の充血があるような気がする。使わない日多かったけど、期限がきたので終了。
と、いうわけで14日使ってみた感想としてはトータルではいいけど、セールスポイントに困る良くも悪くも「シリコーンハイドロゲルのパイオニアが標準的なレンズを作りました」という印象。少し充血気味になる点が気になるところかな。
国内のコンタクトレンズショップでは、アキュビューオアシスよりも安く売られているケースが多いので、トライしやすいかも。一方海外の個人輸入代行業者だとアキュビューオアシスのほうが安かったりする。トライアルレンズで試してみて、異常が無い人には良いレンズじゃないかと思う。