ドグマチール - Dogmatyl (スルピリド - sulpiride)


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なぜかアステラスはインタビューフォームを非公開にしてしまったようで、名前の由来は良くわからないが、以前のものには「特に無し」とされていたらしい。


胃・十二指腸潰瘍からうつ病、統合失調症まで服用量によって効能が変わるという、極めてアバウトかつデンジャラスな薬(だと思う)。ドグマチールはD2受容体というものに結合することで本来D2受容体に結合するはずのドパミンの働きを阻害する。D2受容体は脳のほかに胃や腸にも存在していて、胃や腸の働きをコントロールしている。D2受容体にドグマチールがくっつくと、ドパミンの作用が弱まり胃や腸の運動を促すアセチルコリンの量が増える。なので、胃腸の運動が盛んになり胃の中に食物が滞留するのを防ぎ、胃潰瘍を緩和する。

ドグマチールは血液脳関門の突破力が弱いので、少量だと脳への作用はほとんど無いが、高容量だと脳まで到達し、脳内のD2受容体に作用する。この辺の作用はよくわかっていない部分があり、少なすぎなら対したこと無いかもしれないが、うつ病処方で効きすぎになるとかえって悪化するのではないかという気がしないでもない(素人的に)。抑うつ状態への処方と、抗精神病薬としての処方がオーバーラップしているので、代謝の良し悪しではハズレになる薬にも思える。


tomaはこれまで通った心療内科・精神科で2回ドグマチールを処方されたが、どちらのドクターも100mg~150mgの間で処方している。(最初150mg、腹が減りすぎると訴えて100mg、その後調子が悪くなって300mg/dayまで増量)


そして、どちらも血液検査など無しで処方されている。


フランスのSESIF研究所で開発され、1969年に市場デビュー。日本では1973年に発売開始と、精神病の薬としてはまぁまぁ古参。(それでもたった36年)

もともとは視床下部の交感神経中枢の興奮を抑制し、胃血流の改善による抗潰瘍薬として開発された。開発の過程でうつ状態にも効果があることが発見され、うつ病にも適応となった変わり者。


tomaの主治医曰く「これもともと胃薬ですから」


日本ではドグマチール(アステラス製薬)のほかに、アビリット(大日本住友製薬)、ミラドール(バイエル薬品)が併売されているが、後者のふたつはちょっと安い。(50mgでドグマチールは18.4円、アビリット13.6円、ミラドール12.3円。ちなみにジェネリックのベタマックは6.4円)


飲んですぐ効果が体感でき、眠気や吐き気など、社会生活を送る際に問題となるような副作用も少なく、また効果もワリと早めに出るということで、軽いうつ状態を訴えると今でも結構処方される。


妊娠危険度ははっきりしていないが、はっきりしていないのだから避けるべきだと思う。


tomaはドグマチールとジェネリックのベタマックの50mgを1日1回2錠飲んでいるが、はっきりわかる効果としては「お腹が減る」ということ。


「食欲が無い」といっただけで出されたこともあった。

効能に「食欲改善」なんてものはないのだけど...


ドグマチールを飲み始めた当初は特に顕著で、もう何年も朝食を食べてこなかったのにいきなり朝食を取るようになり、おまけに1日三食では足りず寝る前にもパンを食べるなど、どう見ても異常なくらいの変化があった。(そのわりには異常なくらいの体重変化をしなかったのはラッキーだった)


いまでもこれを飲むと胃腸の調子がいい感じ。ややゆるめの傾向があるがOPPになるほどでもない。
便秘になりがちなアモキサンを飲んでいてもぜーんぜん平気なのはドグマチールのおかげなのか。


ちなみに、ドグマチールの飲んでいるとプロラクチンホルモン増やすので生殖に関する影響を与える。男性であれば性欲減退、ヘタすると射精不能といったプライドの根幹に関わるものもあり、女性の場合は乳腺葉を発達させて巨乳化したり、出産してもいないのにお乳が出てきたりといった副作用があるらしい。


ま、確かに前者を感じることが無いわけでもないけど、それほどでもなぁ。600mgとか飲むとひどいのだろうか。