アモバン - Amoban (ゾピクロン - zopiclone)


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名称の由来は「特に無し」(サノフィ・アベンティス)。「あぁ、もう晩だ」から来ているという噂もあり。

ちなみにカナダやオーストラリアではImovane、英国ではZimovaneとして販売されている。なぜか日本ではAmo"vane"ではなくAmo"ban"であることが、噂の信憑性を高めている(?)


超短期作用型の睡眠障害改善剤で、経口投与すると急速に吸収される(バイオアベイラビリティは約80%)。

特異的な副作用として口の中が苦くなる「苦味」があり、「ニガー」として愛好者も多い(?)

この苦味の発生頻度は4.18%とされているが、どう考えてももっとあると思われる。「良薬口に苦し」なんていっても、この唾液腺を介して出てくる苦味は、うがいなんかで対処できずしばらくの間味覚を崩壊させてしまう。

これが癖になって苦味を感じると「あぁ、効いてきたんだな... 」と安心して眠ることができるという、口で効き目を感じることができる数少ない薬として重宝されている(こともある)


ちなみに、アモバンの錠剤自体も相当苦い。割線があるので半分に調整しようとすると、せっかくのフィルムコートが台無しになってしまい、割面が舌に触れたときには、それはもう...


海外では発がん性のあることがラット、マウスなどの研究によって示唆されている。(通常の処方ではありえないくらいの高用量投与だけれど)。ちなみにFDAでもゾピクロンやゾルピデム(マイスリーの一般名)ががんの発症リスクを増加させるとしている。


アモバンは向精神薬指定されていないので処方しやすいと思われるが、苦味の副作用があるせいかファーストチョイスされることが少ないように思える。(いまはマイスリーが多い)

どうしても飲んでみたい場合は「アモバンを飲みたい」といってみるのがいちばんよいカモ。

薬価は7.5mgで27.9円、10mgで33.9円なので、ハルシオン よりやや高い。


アモバン(ゾピクロン)の胎児危険度分類は「カテゴリーC(米国)」で動物実験では胎児への有害性が証明されているが、人間での研究がされていないものであり、よほどの事情がある(治療上の有益性が危険性を上回ると判断される)場合にのみ投与される。


不眠症では1回7.5mg~10gmを就寝前に服用。最初は3.25mgからはじめるのが望ましい。

最高血中濃度到達時間は0.75~1.17時間。半減期は3.66~3.94時間と「すぐ効いて、残らない」のがウリ。

ニガーの発生も人によっては大きなウリ。


アモバンはハルシオン に比べて深い眠りを増加させるので、熟眠感が高い。苦味に耐えることができるのであればとてもよい薬だと思う。


tomaは10mgを服用していたことがある。どうしても一度飲んでみたかったので

「ハルシオン1錠だと眠れない日もあるのですが、2錠となると依存も怖いので... 」

といったら頓服で追加されましたん。

あっさりぐっすり眠れてすっきり起きられるので、とてもお気に入りだったのだが、夏になるとこの苦味が夕方まで続くので食事が美味しく感じられず夏バテ気味になったので、常用はハルシオン やマイスリーにスイッチしている。