たばこは

「百害あって一利なし」
といわれる。

「今日も元気だたばこがうまい!」
の昭和30年代とはエライ違いである。

この差を
JT(と政府というか国)が隠していたものが公になったからだ、という人もいれば、
嫌煙家の過敏反応という人もいる。

高度成長期の工場勤務を経た人や、それこそ都心に住んでいた人は
たばこ以前に猛毒ガスを吸い込んでいたはずなので、肺がんや肺気腫の
原因が一概にたばこだけともいえないし、喫煙率が低下しているにもかかわらず
肺がん患者が減っていないというデータもあるようだ。

まぁ、でも吸わないよりは吸ったほうが呼吸器系に与えるダメージは多い
のは素人目に見てもわかること。

それと、たばこの煙は拡散するので、吸わない人にとっては迷惑極まりない
というのも理解できる。

それよりも、たばこを吸うことが「一利なし」といわれてしまうことに疑問を
感じる。本当に「一利」もないのか?

たばこには脳を覚醒する作用があることはよく知られている。
老年者の場合はむしろたばこを吸ったほうがよいという立場を取っている
人もいるくらいだ。

たばことよく似た嗜好品としてお酒がある。
こちらはメリットが強調され、デメリットが極端に認知されていないフシがある。

飲酒は肝臓を壊し、脳細胞を破壊し、依存性も高い厄介なシロモノだ。
事故、殺人、セクハラなどお酒が原因で周りに被害を与えることもしばしばある。
「酔っていたので覚えていない」というのは傷害事件の常套句だ。
喫煙者がポイ捨てする吸殻も迷惑だが、飲みすぎのガキが撒き散らすゲロは
迷惑極まりない。
深夜に大声出したりいたずらしたりと、お酒の社会的迷惑度も相当なものだ。

でもお酒は割りと寛大に受け入れられてしまっている。

その一方でたばこは過敏に嫌われている。
せめて私は態度だけでも紳士的にしたいと思う。
ポイ捨てはしない。周りに気を使う。たばこの臭いにも気を使う。