1年後のクリスマスから唱えられるであろうグローリア、

覚えて唱えるか、読みながら唱えるか

どっちになるんだろうかと考えながら・・・

 

 

「ウンチクはいいから、音楽を聴きたい」

という場合は、一番下に行っちゃってください。

私の好きな「メサイア」を貼ってあります。ニヤリ

 

 

 

(冒頭の文 新)

天には神に栄光。

地にはみ心にかなう人に平和。

 

(現行の文では)

天のいと高きところには神に栄光。

地には善意の人に平和あれ。

 

 

で、冒頭で「え?え?」なのは2点です。

1,「いと高きところ」は、無いの?

2,「善意の人に」→「み心にかなう人に」・・・「あれ」?

 

今日のブログでは、

この2点についてだけ書きたいと思います。

 

 

 

(1000年もの歌い慣れたラテン語)

Gloria in excelsis Deo

et in terra pax hominibus bonae voluntatis.

 

 

グローリアの元になったと言われる聖書の個所

(ルカによる福音書 2の14)

「いと高き所には栄光、神にあれ

地には平和、御心に適う人にあれ。」 (日本聖書協会)

 

この部分のラテン語は

(vulgata聖書)

gloria in altissimis Deo et in terra pax in hominibus bonæ voluntatis.

 

(Vetus Latina、たぶんもっと古い写本)

Gloria in excelsis Deo,
et in terra pax hominibus bonae voluntatis

 

 

 

古い写本から見つかった

"in excelsis(天のいと高き所)"は、

詩編148の

「ハレルヤ

天から

もろもろの高い所で」

の、ラテン語を意識した言葉じゃないかって

ドイツのウィキペディアにありました。

 

ラテン語聖書の "in alteissimis"は、

文字通りとれば「至高なる」。

 

至高なる所といえば、「天」なので

"in altissimis(天の)"。

 

「いと高きところ」という文語表現は不要なんですね・・・。

 

 

 

ラテン語"bonae voluntatis"

元のギリシャ語は、εὐδοκία(eudokia)

「良い喜び」みたいな意味らしいです。

ギリシャ語はマジからっきしなのでネットの受け売りです。

 

ラテン語"hominibus nonae voluntatis"

言葉のままで素直に読むと

「善意の人に」となっちゃうんだけど。

 

「意」の持ち主が神であるか?人であるか?

ギリシャ語では、「神の良い喜び」と読めて

「(神の)み心にかなう人に」ってなるらしいです。

 

ちなみに

プロテスタントでは宗教改革のときに

ここを問題視したんですって。

 

ドイツのカトリック教会は

1960年の典礼改革のときに

ドイツ語訳を改めたらしいです。

 

(ドイツ語グローリアの冒頭)

Ehre sei Gott in der Hoehe

und Friede auf Erden den Menschen seiner Gnade.

「彼(神)の喜びの人に」→日本語「み心にかなう人に」

 

 

 

(英語グローリアの冒頭 手元資料による)

Glory to Got in the highest,

and on earth peace to people of good will.

「善意の人に」と読めますね~。

私の英語力のせいかしら。

 

メサイアの歌詞では

"good will toward men"

"will"の主体は神ですかね。

 

ちなみに

メサイアは元々が宗教のための曲ではなくて

宗教をネタにした演奏されるべき音楽だったそうで

歌詞は、聖書を参照して作詞されたものだそうです。

 

では

ヘンデル「メサイア」から"Glory to God"