昨日読んだ、年間第7主日の入祭唱
" Domine, in tua misericordia "の動画です。
この曲は、復元された楽譜でもそれほど違いはないと思います。
動画は普及している楽譜による演奏です。
第5旋法
フィナリスは ファ、ドミナントは ド。
まず聴いていただくと
同じような音型が何度も出てきます。
ファソラ~ ソファソ ソ~ファ~
ちなみに冒頭は
ファ~ラ~ ラソ ソファソ ソ~ファ~
のっけから、終わりかと思わせる音型です。
言葉は"Domine(主よ)"なので
「主に向かって祈ります」みたいなニュアンスでしょうか。
第5旋法と第6旋法は、ファで終わる旋法であり、
このような音型は終止の個所によく現れます。
参考として、
次の動画は、先日載せた年間第9主日の入祭唱
" Respice in me "(第6旋法)です。
" Domine, in tua misericordia "(第5旋法)
" Respice in me "(第6旋法)
まったく違う曲ではありますが
上に示した音型の他にも同じ音型が現れます。
ドミレ ドシ ドミレ レドドラ
高い音で ドミレ、 更にもう一回 ドミレ がきます。
歌詞は、それぞれ
"salutari(救い)"
"pauper sum ego(私は貶められている)"
高音の繰り返しによって
神に訴えかけているように感じます。
*
さて、今回のテーマである最初の動画
第5旋法の方ですが
似たところのある曲は置いといて
この曲自体を考えてみると
詩編唱が"usquequo(いつまで?)"と
先の見えない問いかけをしているのに対して
アンティフォナは神の救いを述べ
"qui bona tribuit mihi"
「あなたは私に良いものをくださった方」
あるいは「私に報いてくださった方」
と締めくくっています。
"bona" , "tribuit"の長いメリスマをどう歌うか。
考えどころかもしれません。