昨日読んだ、年間第7主日の入祭唱

" Domine, in tua misericordia "の動画です。

 

この曲は、復元された楽譜でもそれほど違いはないと思います。

動画は普及している楽譜による演奏です。

 

 

第5旋法

フィナリスは ファ、ドミナントは ド。

 

まず聴いていただくと

同じような音型が何度も出てきます。

 

ファソラ~ ソファソ ソ~ファ~

 

ちなみに冒頭は

ファ~ラ~ ラソ ソファソ ソ~ファ~

 

のっけから、終わりかと思わせる音型です。

言葉は"Domine(主よ)"なので

「主に向かって祈ります」みたいなニュアンスでしょうか。

 

 

第5旋法と第6旋法は、ファで終わる旋法であり、

このような音型は終止の個所によく現れます。

 

 

参考として、

次の動画は、先日載せた年間第9主日の入祭唱

" Respice in me "(第6旋法)です。

 

 

 

" Domine, in tua misericordia "(第5旋法)

" Respice in me "(第6旋法)

 

まったく違う曲ではありますが

上に示した音型の他にも同じ音型が現れます。

 

ドミレ ドシ ドミレ レドドラ

高い音で ドミレ、 更にもう一回 ドミレ がきます。

 

歌詞は、それぞれ

"salutari(救い)"

"pauper sum ego(私は貶められている)"

 

高音の繰り返しによって

神に訴えかけているように感じます。

 

 

 

さて、今回のテーマである最初の動画

第5旋法の方ですが

 

似たところのある曲は置いといて

この曲自体を考えてみると

 

詩編唱が"usquequo(いつまで?)"と

先の見えない問いかけをしているのに対して

アンティフォナは神の救いを述べ

"qui bona tribuit mihi"

「あなたは私に良いものをくださった方」

あるいは「私に報いてくださった方」

と締めくくっています。

 

"bona" , "tribuit"の長いメリスマをどう歌うか。

考えどころかもしれません。