日曜日に勉強することにしているグレゴリオ聖歌について
年間第17主日の入祭唱を調べていたら
楽譜を見て不思議だったので記録することにしました。
いつも2つのタイプの四線譜によるグレゴリオ聖歌集を教科書にしています。
Graduale Romanum ・・・19世紀から20世紀の研究で作られている
カトリック教会で世界標準とされた楽譜
Graduale Triplex ・・・Graduale Romanum と同じ四線譜に
ネウマを書き入れたもの
Graduale Novum ・・・21世紀の研究により提案された楽譜
ここでだけ、R. ,N. と省略させていただきます。
R.は「ローマ」の、N.は「新しい」の頭文字です。
年間第17主日の入祭唱"Deus in loco"
動画を二つ載せます。
R. 始まりは、ドドレド ド ドレドド ↓ラソ
終止音はファ
N. 始まりは、レレミレ レ レミレレ ↓シラ
終止音はソ
小さな変更を除いてほぼ同じメロディーです。
R. は、見かけ上はハ長調っぽく始まりヘ長調っぽく終わる。
N. は、見かけ上はニ長調っぽく始まりト長調っぽく終わる。
ピッチは聖歌隊の事情に応じてドの高さを決められるので
楽譜上の移調みたいなのをする意味は分かりません。
いつもは、N. の楽譜はネウマとの関連性で
なるほどと思わせてくれるんですが。
先週の”Ecce Deus”ではどちらの楽譜も第5旋法で、
見かけ上の移調みたいなのはありませんでした。
今回の旋法は、R. が第5、N. が第7。
なぜ第7旋法なのか知りたいです。
第7にしたかったのかなあ。
とっても不思議です。
長いことグレゴリオ聖歌では、シのみフラットが付いてよい
となっていて、シャープを用いませんでした。
しかし、写本の解読により、
楽譜の発明以前にはシャープが付くことも有り得たんじゃないか
という説がでて、N. はそれに基づいています。
N. の解説本、ドイツ語なんですが
早く翻訳が出ないかな~。