平成25年の司法試験の問題が公表されたので、ちょっと見てみる。
気になる民事系第1問(民法)から。
〔設問1〕
何というか、保証の書面性の要件について、とある筋から東京高裁の判例(最高裁HPに掲載中)が金融法務事情に掲載されているらしいと聞き、つい最近チェックしていたこともあり、それがタイムリーに出題されていることに吃驚。
「無権代理行為による保証契約を追認する旨の意思表示についても、これによって保証契約が効力を有するためには、その追認の意思が書面により外部的にも明らかになっていることが必要であると解されるところ、そうした書面は存在しない。」として、保証契約の効力を否定した裁判例(長崎地判平成21年12月22日)があり、これに関する初めての高裁判例が東京高判平成24年1月19日という位置付けらしい。
上記東京高裁も、1年以上前に出されているので、通常の法科大学院生であれば、その存在くらいは知っているということになるのだろうか。
それは、さておき、この裁判例等を踏まえ、設問1について考えてみると、おおよそこんな感じになるのだろうか。
1.AがCに対して保証債務の履行を請求するのに必要な主張
要件事実的には、保証債務の履行請求に必要な要件事実(請求原因事実)は、
・主債務の発生原因事実
・保証契約の成立
・保証の意思表示(ないし保証契約)の書面性
であり、無権代理人が締結した契約の効果が本人に帰属するために必要な要件事実は、
・無権代理人による法律行為
・顕名
・本人による追認
である。
したがって、Bの売買代金債務につき、Aが、Bと締結した保証契約に基づき、Cに対して保証債務の履行を請求するのに必要な要件事実は、
・AB間の売買契約の締結(主債務・Bの売買代金債務の発生原因事実)
・AB間の保証契約の締結
・上記保証契約における、Bの顕名(Cのためにする表示)
・Cによる、AB間の保証契約の追認
及び
・保証の意思表示が書面でなされたこと
である。
2.前記1の主張に含まれる問題点
保証契約は、書面(ないし電磁的記録)でしなければ、その効力を生じない(民法446条2項及び3項)。
本件においては、代理人Bによる保証の意思表示は、書面でなされている。
そして、本人であるCも、Bからその書面を見せられて追認を求められていることから、当然Bによる保証の意思表示が書面でなされていることを認識しているといえる。
しかしながら、保証人となるCによる追認の意思表示自体は、書面でなされているわけではない。
したがって、このように、第三者が保証人となる者の代理人として保証契約を締結した場合において、民法446条2項に規定する要件(保証の要式性)を満たすために必要な書面の内容が問題となる。
民法550条については、贈与の意思を確実に看取しうる書面であれば足りると解されているが、この規定は、一方当事者による贈与の撤回を制限する規定であり、民法446条2項の趣旨とは明らかに異なり、同様に論ずることはできない。
(民法550条を出す必要はないが、東京高判の事案において出されている反対説が、おそらく民法550条を意識したものであるため、知識をアピールするためにも出して損はないはず。)
民法446条2項の趣旨は、保証契約が無償で情義に基づいて行われることが多いことや、保証人において自己の責任を十分に認識していない場合が少なくないことなどから、保証を慎重にさせることにある。
かかる趣旨及び規定の文言からすれば、同項は、保証契約を成立させる意思表示のうち、保証人になろうとする者がする保証契約申込み又は承諾の意思表示を慎重かつ確実にさせることを主眼とするものということができるから、保証人となろうとする者がする保証契約申込み又は承諾の意思表示を書面でしなければその効力を生じないとするものであり、保証人となろうとする者が保証契約書の作成に主体的に関与した場合その他その者が保証債務の内容を了知した上で債権者に対して書面で明確に保証意思を表示した場合に限り、その効力を生ずるものと解すべきである。
そして、保証人となろうとする者がする保証契約の申込み又は承諾の意思表示は、口頭で行ってもその効力を生じないものであるから、保証債務の内容が明確に記載された保証契約書又はその申込み若しくは承諾の意思表示が記載された書面等にその者が直接署名し若しくは記名して押印するのでない場合には、その内容を了知した上で他の者に指示ないし依頼して署名ないし記名押印の代行をさせることにより当該書面等を作成したとき、その他保証人となろうとする者が保証債務の内容を了知した上で債権者に対して書面でこれと同視し得る程度に明確に保証意思を表示したと認められるときに限り、その効力を生ずる者と解するのが相当である。
本件については、保証債務の内容が明確に記載された保証契約書を作成したのは、A及びBであり、Cは、その作成に一切関与していない。
そして、Cは、BがCの代理人として署名した当該保証契約書をBから見せられてはいるが、かかるBの署名は、当該保証契約書の内容を了知した上でCから指示ないし依頼を受けて署名されたものではなく、その他Cが保証債務の内容を了知した上で債権者であるAに対して明確に保証意思を表示したと認められる書面は存しない。
よって、本件については、AのCに対する保証債務の履行請求は、認められない。
裁判例を一切知らなくても、保証人の保証意思につき、書面性が要求されるというところから考えれば、この筋は導き出せるかもしれないが、Cが明確に追認の意思表示をしていることからすると、純理論的にこの結論を導くのには抵抗があるかもしれない。
前記東京高判の原審が保証契約の成立を認めていることも考えると、その結論が直ちに不当とも言えないとは思うが、理論的には保証契約の成立は否定されるが、信義則上その不成立を主張できない、とかすると、保証契約の書面性の要件をなんと心得る!!とか言って逆鱗に触れたりするのかもしれない。
〔設問2〕
設問1が難しいので、サービス問題なんだろうか。基本的理解を見るのは、むしろこちらか。
1.BがFに100万円の支払を求めるためになし得る主張
賃借人Bは、賃借物である丙建物の1階部分について、これを返還するまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存する義務を負う(いわゆる善管注意義務。民法400条)。
丙建物の1階部分の雨漏りは、Fから内装工事を受注したHが誤って丙建物の一部に亀裂を生じさせたことが原因である。
Fから内装工事を受注したHは、Fの履行補助者といえるから、Hが誤って丙建物の一部に亀裂を生じさせた行為は、信義則上、F自身の故意・過失と同視すべき事由にあたる。
したがって、賃貸人たるBは、賃借人Bに対し、上記善管注意義務に違反して丙建物の一部に亀裂を生じさせたことにより負担を余儀なくされた100万円の修繕費用につき、損害賠償を請求することができる。
2.前記1の主張に対し、Fがなしうる主張
① そもそも、賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う(民法606条)のであって、かかる修繕費用に相当する100万円の修繕費用を、賃借人たるFが負担する理由はない。
② また、Hは、Fから内装工事を受注したとはいえ、飲食店の内装工事を専門とし、内装業を営む専門業者である。
しかも、内装の仕様及び施工方法について、Hと検討した結果の概要をBに説明したうえ、それに従いHに内装工事を行わせることについてBの承諾を得ている。
Fは、これを受けて、Hに内装工事を発注しているのであって、HをFの手足ないし履行補助者ということはできず、Hの行為をもって、信義則上、Fの故意・過失と同視すべき事由と評価することはできない。
よって、賃借人Bにおいて、善管注意義務の違反はなく、これを理由とする損害賠償請求は認められない。
3.両主張の当否
Fの①の主張について
民法606条は、賃借人に目的物の保存につき善管注意義務違反があるときにまで、賃貸人に修繕義務を負わせたものではない。
したがって、賃借人に善管注意義務違反があれば、民法606条の規定にかかわらず、賃借人は損害賠償責任を免れないのであって、結局は②の主張の当否に収斂される。
(そもそも記載自体不要とも思われるが、民法606条を知っていることをアピールするのは、無駄にはならないはず。論証パターンの吐き出しではないから、マイナス印象は与えない、はず。)
Fの②の主張について
従来の支配的学説は、履行代行者(債務者に代わって履行の全部又は重要な部分を引き受ける者)について、履行代行者の使用が許されている場合には、本人の許諾を得て復代理人を選任したときと同様、代行者の選任・監督につき債務者に故意・過失があったときだけ、債務者は債務不履行責任を負えば足りると解している。
かかる学説によれば、賃借人(善管注意義務を負う債務者)Fは、履行代行者であるHの使用がBから許されていたのであり、代行者であるHの選任・監督につき故意・過失があったということはできないから、Hが誤って丙建物の一部に亀裂を生じさせたことにつき、信義則上、Fの故意・過失と同視すべき事由があったということはできず、Fは損害賠償責任を負わないということになる。
しかしながら、かかる支配的学説に対しては、新の意味の履行補助者(債務者の手足として行動する者)と、履行代行者との区別があいまいであるとか、復代理と履行補助との制度面での違いを無視して立論している、といった批判がなされており、債権者が補助者使用について同意を与えていたときには、債務者の責任は選任・監督上の過失に限定される、といった見解は、判例には採用されていない。
かかる履行補助者問題を考える際には、債務発生原因としての契約及びその履行過程に当該履行補助者がどのように組み込まれ、評価されるのかという視点のもとで整理をする必要がある。
そして、本件の善管注意義務のように、結果実現保証を含まない債務(手段債務)の場合には、「いかなる者を利用して行為義務を果たすべきか」ということも、債務者の行為義務の内容の問題となり、被用者の選任や技術指導などを適切に行って履行のために使用すべき行為義務が、手段債務の内容となる。この段階で義務違反が認められれば、直ちに手段債務の不履行が認められるが、この段階での不履行が認められなくても、債務者が自分のリスクで履行補助者を使用すべき場合は、履行補助者の行為が契約上要求される注意を尽くすものでない限り、債務者の行為と同視され債務不履行責任が認められると解すべきである。
本件では、賃借人であるFは、賃借目的物を使用し、それから収益を挙げるために、内装業を営むHに内装工事を発注しているのであるから、債務者である賃借人Fが自分のリスクで履行補助者を使用すべき場合といえる。
したがって、履行補助者であるHの行為が賃貸借契約上要求される注意を尽くさずに、誤って丙建物の一部に亀裂を生じさせた以上、その行為は債務者(賃借人)Fの行為と同視され、債務不履行責任が認められると解すべきである。
履行補助者の類型論に関する問題意識が問題文において明確に摘示されているので、履行補助者論がメインの論点なのかと思われる。
・Hは専門業者。素人であるFの指揮・監督を受け得る立場にない。
・Hの選任については、Bの承諾がある。
・内装の仕様及び施工方法についても、Bの承諾がある。
という事情があっても、簡単にFの責任を免除してはいけませんよ、という出題趣旨か。
Fは、契約責任に基づいてHに求償(損害賠償請求)をしたらいいのであり、第三者たるBがHに損害賠償請求をすることを原則とするわけにはいかないというのが、基本的な判例の立場だと思うのですが、いかがでしょう。
〔設問3〕
最高裁判例の射程を考えさせる問題。
実務についたら、類似判例を見つけて、その射程を検討することは日常茶飯事なので、実務を意識した良問といえるのでは。
【Dの依拠する判例との類似点】
・抵当権設定及びその登記後、賃貸借契約が締結されている。
→賃借人は、賃借目的物に抵当権が設定されており、その後に賃料債権が物上代位により差し押さえられる可能性を認識し得た。
・賃料債権と相殺する自働債権は、抵当権設定後に発生したものである。
【相違点】
=判例の結論は妥当としつつも、本件でその理屈をそのまま妥当させると賃借人に酷な事情
・判例の事案における自働債権(保証金返還債権)は、(後に締結された)賃貸借契約とは全く別個の原因により発生したものであり、物上代位の対象となっている賃料債権との関係では、いわば一般債権というべきものである。
・本問における自働債権(民法608条1項に基づく必要費償還請求権)は、賃貸借契約そのものと密接に関連する債権であり、賃料債権との同時履行の抗弁が認められるもの(学説多数説)。
【Gのなし得る主張】
GがBから賃借していた丙建物の2階部分は、暴風のため窓が損傷し、外気が吹き込む状態となった。
そこで、Gは、丙建物の2階部分について、Eに修繕をさせ、Eに報酬30万円を支払った。
この報酬は、丙建物2階部分の原状を回復するために支出した費用であり、その額は、修繕に要する工事の対価として適正なものであるから、その費用を支出した賃借人Gは、賃貸人Bに対し、直ちにその必要費の償還を請求する権利を有する(民法608条1項)。
Dが依拠する判例は、抵当権設定登記の後に取得した賃貸人に対する債権と物上代位の目的となった賃料債権とを相殺することに対する賃借人の期待を物上代位権の行使により賃料債権に及んでいる抵当権の効力に優先させる理由はないというべきであるとして、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後は、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得した債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することはできないと解するのが相当であると判示するものである。
しかしながら、賃料が、賃借物の使用及び収益の対価であり、賃貸人の使用収益供与義務と賃借人の賃料支払義務が同時履行の関係にあることからすると、賃貸人のなすべき賃貸物修繕義務と賃借人の負担する賃料支払義務とも同時履行の関係にあり、したがって、賃借人が修繕費を支出したことによって賃貸人の負担する必要費償還義務と賃借人の賃料支払義務ともまた同時履行の関係にあると解すべきである。
そして、債権者が差し押さえた債権についての第三債務者は、当該差押えに係る差押命令が第三債務者に送達されるまでに債務者に対して生じた事由をもって、差押債権者に対抗することができる(民事執行法145条4項参照)から、第三債務者である賃借人Gは、差押命令が自己に送達された平成24年9月21日より前の同月9日に取得した30万円の必要費償還請求権をもって、その償還義務と賃料支払義務との同時履行を主張して、賃料の支払義務を拒むことができると解すべきである。
したがって、少なくとも、GがDに対して(無条件に)90万円全額の支払義務を負うはずであるというDの反論は、明らかに理由がない。
加えて、賃貸人の賃借人に対する賃料債権と、賃借人の賃貸人に対する必要費償還請求権は、ともに同一の原因関係に基づく金銭債権であり、両債権は同時履行の関係にあるとはいえ、相互に現実の履行をさせなければならない特別の利益があるものではなく、両債権の間で相殺を認めても、相手方に対し抗弁権の喪失による不利益を与えることにはならないものと解されるのであって、むしろ、このような場合には、相殺により清算的調整を図ることが当事者双方の便宜と公平にかない、法律関係を簡明にならしめるものであるから、賃料債権と必要費償還請求権とは、その対当額による相殺を認めるのが相当である(請負報酬債権と瑕疵修補に代わる損害賠償債権との相殺を認める最判昭和53年9月21日参照)。
そして、賃借人が、差押命令の送達前に取得した必要費償還請求権については、物上代位の目的となった賃料債権と同時履行の関係にあり、賃借人は、当該必要費償還請求権についての履行があるまで賃料の支払を拒むことができるのであり、相互に現実の履行をさせなければならない理由はなく、少なくとも対当額の限度において、相殺により清算的調整を図ったとしても、物上代位権の行使により賃料債権に及んでいる抵当権の効力を侵害することにはならないから、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権の差押えをした後であっても、抵当不動産の賃借人は、抵当権設定登記の後に賃貸人に対して取得し、賃料債権と同時履行の関係にある債権を自働債権とする賃料債権との相殺をもって、抵当権者に対抗することができると解するのが相当であり、これは、Dの依拠する判例の射程外と解すべきである。
というようなところでしょうか。
設問3については、時間的に余裕があれば、姑息なアピールとして、抵当権者の賃料債権に対する物上代位の期待が必ずしも保護されているわけではないことについて、敷金が差し入れられているときの、賃料債権の当然消滅も書きたい。
賃借人としては、賃貸借契約終了間際の賃料の支払を拒絶した場合でも、賃借物の明渡後には、敷金が当然未払賃料に充当されるのであって、この場合にも、抵当権者の賃料債権に対する物上代位の期待は保護されていない。
加えて、最近最高裁が出た、賃借人が賃貸人から賃借物を買ったときの賃料債権の消滅についても、書いてもいい範囲かもしれない。
まあ、所詮は姑息なアピールの手段に過ぎませんが、少なくとも、法曹としての資質を持っている(=必要十分な知識)を持っていることについてのアピールとしては、小さくないと思うんですよね。
「抵当権者の賃料債権に対する物上代位の期待が貫徹されない場合」の卑近な例として挙げるのであれば、余事記載でもないでしょうし。
誤った理解を自信満々で記載して間違った方向に行くと、目も当てられませんけど。
【追記】
辰巳の解答速報を見てみた。
設問1は、裁判例さえわかれば、それに沿って書くだけなので、予備校間で差がつくものでもないだろう。
設問2は、履行補助者に該当しない?しかも、善管注意義務の履行を補助しているものではないから、という理由で?
そんなばっさりと切れる問題を作るかなあ。
設問3は、法律論になっているのかな。相違点をただ羅列しただけなんじゃなかろうか。
少なくとも、賃料債権と必要費償還請求権が同時履行の関係にあり、抵当権者は、本来的に賃料全額の支払を受けられる状況ではない、という法律論は摘示する必要があるんじゃないかと思うんだが。
【追記】
設問2について、不法行為責任で請求する場合については、注文者は、請負人のミスについて、無制限に責任を負うわけではないので、Fが勝つ、という構成を見ました。
そうすると、賃借人は、不法行為構成をとらないので、Fとしては、不法行為の場合には請負人のミスについて責任を負わない場合との均衡を図るべきだ、と主張して、債務不履行構成の場合でも責任を負わない、と主張することができないか、ということになるでしょう。
実際、履行補助者の理論について、使用者責任とパラレルに考えようという見解もあったはずだと認識しています。
設問3については、あの判例が、執行妨害的な例外的な事情がある場合に、相殺を認めなかったわけではなく、少なくとも判文上は、原則論として、相殺への期待を差押えに優先すべき理由はない、として相殺を認めなかったということに十分配慮すべきだと思います。
そうすると、判例の射程外だというためには、差押えに優先すべき相殺への期待がある、というか、差押えに優先しているわけではない、というかのいずれかだと思います。
同時履行関係にあるので、本来的に差押債権者は賃料の支払を求められないのであるから、相殺を認めても、差押えに優先させるわけではない、というのは、後者の立論ということになります。
自然発生的な債権なので、相殺への期待を保護すべき、というのを目にしますが、じゃあ、抵当権の設定及びその登記後に取得した法定債権(事務管理、不当利得、不法行為による各債権)であれば、これらを自働債権とする相殺を優先させるべきか、ということになります。
そこまで拡張できないということであれば、自然発生的な債権で、賃借人に何ら落ち度なく発生した債権なので、相殺への期待を保護すべき、という立論は誤り、ということになるかと思います。