わたしの実家の庭は、隣の曾祖母の大きな木造家屋と敷地が繋がっていた。
 
曾祖母の家の台所や浴室に面したお勝手口がいつも開け放されていて、実家の人間は一声かけて気軽に出入りをしていた。(雰囲気は、『となりのトトロ』のメイとさつきの家の台所やお勝手口(^_^))
 
いつも近所に住む祖母の兄弟達が誰かしらいて、曾祖母の家は憩いの場になっていた。
 
 
従姉妹のEちゃんが引っ越してしまってから、ボゥッと1人で二階の窓から外を眺めて過ごすことが増えた。
 
曾祖母の家から、賑やかな声が聞こえてくる。
 
 
祖「子どもの甲高い声や泣き声聞くと、よけいイライラして怒鳴りつけたくなるのよ~」
 
……………なるほど。祖母が話しかける度に眉間にシワを寄せるのは、このせいなんだ(..;)。
 
子ども心にどうしたら良いか考えた。
 
ちいちゃんが子どもなのはどうしようもないから。せめて、泣きたくなった時には、祖母がもっと怒らないようにたくさん泣かないようにしよう………。
 
 
そう決意し、以来泣きそうになった時は溢れそうになる感情の波を懸命に抑えて、声を出さずに泣くように努めた。
 
祖母が親戚の人達の前でわたしを怒った時、泣いてるわたしの様子を見せて、
 
祖「ほら、見てよ。この泣き方!涙だけポロポロこぼすのよ\(^_^ )。まるでTVドラマの子役や女優みたいにやるのよ。ませてるわよね~(笑)!どこで覚えたのかしらね~」
 
など上機嫌になり、その場の親戚達も「そうねぇ。すごいわねぇ」と、賛同してくれた。
 
心の中はモヤモヤしたものが残ったが、泣いてしまった時はこのやり方を通していったら大人達が『怒り』を増幅させない………と、防衛本能がインプットされたように思う。
 
 
他にも、親戚の大人は口々に
 
「施設に行かずに、親でも何でもない何の責任も無いはずの祖母に育ててもらうのは幸せな事。
育ててもらっているんだから、ワガママ言ったり、迷惑かけてはいけないよ。大きくなったら恩返しをしなきゃね~」
 
と、幾度となくわたしに言い含めた。
 
「育ててもらっているから」
 
この言葉はわたしの意識を縛った。
 
生きているだけで、
何かを行動しようとするだけで、
 
罪悪感
 
が頭の片隅にこびりついていた。
 
TVアニメで丁度その頃『母をたずねて三千里』や『みつばちハッチ』など、やたら孤児が母を求めて頑張る話しが多かったが、
 
その度に『お母さんに会いたい?』などと聞きながら痛ましいものを見るような眼差しを向けてきたものだった。
 
 
わたしは、『赤毛のアン』や『アルプスの少女ハイジ』を見ながら自分の特徴との共通点を見出したり、
 
『ハイジ』が街の暮らしに馴染めず「山に帰りたい」と嘆くシーンの方が共感したものでした………σ(^◇^;)
 
☆「子どもなんて、大人の話していることを理解してないわよ」………っとは、よく言われましたが、
その当時は、難しい単語の意味を知らなくても、ニュアンスは伝わりますし、
 
大人になって理解したら、けっこう言いたい放題言われていたなぁ………と、感慨深いです(--;)。
 
 
 
 




自閉症スペクトラムランキング


人気ブログランキングへ