実家で飼われていた犬達は、ちゃんとしたペットの《しつけ》らしいものはされていなかった。
犬同士のケンカになった時や人間のいう事をすぐにきかなかった時は、
壁にかかっている木で出来たハンガーや、《孫の手》(そういえば今、見かけませんよね~^^;)で身体一発叩かれて大人しくさせられていた。
わたしも『感覚過敏』の事や『こだわり』のようなものでいつも何かしら問題を起こしていた。理由は、それだけで祖母にとっては充分だった。
幼稚園に通う年になる頃は、
祖母の言い付けにすぐ反応しなかったり、
祖母の言うことに対して、(言い訳のつもりでは無く理由を説明しようと)『でも』や『だって』を一言でも発しようものなら、
問答無用で上空から棒状の木が振り下ろされ、背中や腕に電気が走った。
正面に立ちはだかる孫の手を振りかざした背の高い姿は、神社に居る《仁王像》にそっくりだった。恐くて、顔の表情なんて見られない。
早口で聞き取れない怒鳴り声と、頭をかばう手に痛みが降り注ぎ
なんとか止めてもらおうと、
「ごめんなさい(ノД`)!」を繰り返して、ようやく嵐が収まる。
当時、従姉妹が一階の部屋に伯母さんと暮らしていて、毎日二階に上がってきて一緒に遊んでいたが
怒られたとしても、打たれるのはわたしだけだった。
怒られた理由も、散らかしたおもちゃを片して無い。ふたを開けっ放しというのもあったと思うが、打たれている痛みと恐怖で頭がぼやけて原因を覚えていられず………結局同じことを繰り返して、毎日打たれる日々が続いた。
打たれながら、勇気を振り絞って質問したことがある。
「どうして、手じゃなくて木の棒で叩くの?」
「あんたに合わせて手で叩いてたら、私の手が痛いじゃないか。あんたが言うこときかなくて悪い子だから叩いてるのに、私の手が痛くなるのはおかしいでしょう!?」
そんな事もわからないのか!?と、言いたげな嗤ってるのか怒ってるのかわからない表情で見下ろしてくる祖母。
「………そうなんだ」
なんかおかしい……と、感じながら。
幼児のわたしは、その想いを飲み込んだ。
☆こんな発言を、子どもだからわかって無いと思ってぶつける大人を、わたしは悲しく思います。
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