鍵が無くて家に入れないままジリジリした気持ちでいると、チイ坊が
 
「ママ、こっち来て。前に鍵無くて入れなかった時に、タイ坊がこっから入ったの」
 
手を引いてアパートの正面入口の裏側を周り、一階の部屋の敷地内の庭へ行こうとする。
 
アパート4部屋の内、3部屋は『佐藤家』身内(義父母宅・親戚宅・自宅)だけど、うちの真下の部屋は、大家さんの息子さん宅である。
 
「……ちょっと待て。こっち、大家さん側だけどお留守の庭側からまさか……」
 
チイ坊が、『しまった……!』という顔をした。
 
そういえば2ヶ月前くらい前、夜の戸締まりで(猫が暑かろうと)ベランダ側の窓を10センチくらい開けていたら、タイ坊が
 
「ママ、暑くても閉めとかなきゃ不用心だよ。泥棒、ここなら登って来られるよ」
 
「え~?こんなとこ登ってこられないよ。来たとしても、メイが気配で大騒ぎするし(*^▽^*)」
 
と言ったら、タイ坊複雑な表情して、
 
「とにかく、用心して!」と、閉めていたっけ。
 
そう言えば、本棚からボルタリングのコミック読んでたな……(..;)
 
「チイ坊、タイ坊が登ってベランダから家入った事あるんだね(-_-#)」
 
「…………うん。学校から帰ってきた時鍵閉まってて、2人ともランドセルに付けてた鍵も家に忘れてて……」
 
「……とりあえず、人の家の敷地内に入っちゃダメ。誰もいなかったらバァバが帰ってくるの待って。危ないから、下、コンクリの部分だってあるんだから!」
 
「ごめんなさい…………」
 
「そんな訳で、その提案却下(-_-;)」
 
そう言ったものの……これ以上時間がかかるなら、
 
やるしかないのか?
 
そんな風に思い始めてた時に、お義母さんと高1の甥っ子が帰ってきてくれて、、わたしもケガをする羽目にならずに済みました(*_*)
 
とにかく、タイ坊に会ったら、後でしっかりお説教してやる!
 
そんな決意を固めて、お義母さんに鍵を借りて家に入りスマホを充電器に装着。
 
入院荷物をまとめてる間にダンナさんからLINE続投。
 
『タイ坊、検査終了』
『一般病棟に移る』
『入院して、付き添いもすることになる』
 
はい。そのつもりで、連休明けるまでの2~3日入院泊まり込み準備してます!(>_<)ゞ
 
「チイ坊、ママはタイ坊の病院へ行ってくる。ママはそのまま付き添いで泊まる。代わりにパパが病院でバトンタッチして夕方家に帰ってくるけど、チイ坊一緒にタイ坊に会いに行く?それとも、バァバの所で待ってる?」
 
「ぼくも一緒に行く!」
 
「わかった。じゃあ、電車やバス乗り継いで行くから自分の荷物用意して」
 
「わかった」と、自分のリュックサックにマンガ本やゲーム機をしまいだしたチイ坊。
 
わたしも再び荷造りに戻った時、ダンナさんから電話がきた。
 
『タイ坊、大丈夫だから。意識もちゃんとしてるし、検査結果も特に異常は見当たらないって。
骨折もしてない。頭を打っているから念のために1日だけ入院することになった』
 
検査結果異常はない。大丈夫。
 
「………よかったぁ……(。・・。)」
 
座り込んでしまったら、言葉と一緒に涙が溢れた。ダンナさんが、電話の向こうで笑ってた。
 
 
 
つづく(。・・。)
 
 
 


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