3/29

古池に花びらひらり春の暮

村なかの爺婆眠る春の暮

恋人のからだの丘は春の花

あとがき…

春の暮…

春の季節の終わりという意味と、

春の一日の夕暮れどきという

ふた通りの意味がある。

古くは前者の意味で使われること

が多かったが、今日では

春の夕暮で使われることが多い…

3/30

春風や乙女が二人犬の供

我が庭の燈籠動く春の風

春風に羽ひろげたる白い鷺

あとがき…

春の風・・

春に吹く風をいう。

草花やこの芽を育み、

鳥のさえずるを誘う、

暖かく穏やかな風である。

時には北春風もあるね…

さて、ひろゆきさんの一言…

働きアリは子孫を残しません。

巣を拡張して子育てをして

餌を取り死にます。

働きアリの取った餌で女王アリ

が働きアリの弟妹を生みます。

働きアリは弟妹が暮らしやすい

環境を作ることに命を費やし

自分の遺伝子を共有してる弟妹

を後世に残す。

虫でもやってる知恵です。

人間なのに虫以下の知恵の人・・・

うんんん…

3/31

月ヶ瀬の婆の草餅とはちがふ

草餅の香りは黄泉のよもぎかな

地蔵さま草餅あげて顔拭いて

あとがき…

蓬の柔らかい新芽を餅に搗き込んで作るが、

近年では冷凍保存した蓬もよく使われる。

香りのよさと若草色が特徴で、

餡を包んだものもある。

蓬餅ともいうが、かつては母子草

（春の七草のひとつ、ごぎょう）を使ったので、

母子餅ともいった。現在も地方によっては、

母子草を使った草餅が作られている。

草の香りが邪気を祓うとして、

桃の節句に食べる風習があった…

4/1

俳聖の敷地広しと風光る

俳聖の芭蕉を偲ぶ桜かな

こんなにも白きお城と花見客

あとがき…

築城の名手、藤堂高虎によって

造られた伊賀上野城。

その石垣は日本1、2の高さ

（約30m）を誇ります。

現在の天守閣は、1935年に川崎克に

よって復興されたものですが、

木造の建物内はまさに戦国時代の

雰囲気そのまま。

三層からなる城内には、武具や甲冑など、

藤堂家ゆかりの品々が展示されています。

最上階の天井には、横山大観などの色紙

46点が飾られおり、そこから城下町一円を

見下ろす眺めも格別です…

4/2

信楽のたぬき見上げる春の空

もりそばに喜ぶ人の春の色

また来るとなごりの春に陶器町

春の庭花びらかぶるたぬきかな

何気ない事も忘れる春たぬき

あとがき…

春の信楽に行ってきました…

滋賀県甲賀市の信楽町は、

焼き物の町として広く知られている町です。

古くから近畿地方と東海地方を結ぶ交通

の要所として栄えてきた信楽町は、

茶道文化の中核として発展を遂げた京都・

奈良・伊賀からも近いこと、周囲の丘陵地帯

から良質の陶土が出ることで、

陶芸の町として発展しました。

窯元が集中する信楽駅近くには今でも伝統的

な登り窯が現存しており、窯元の町ならではの

魅力が万歳です。また、信楽町は愛らしい顔を

した「信楽たぬき」のふるさとでもあります…

4/3

春筍伊賀の里より賜りぬ

朝掘りの春筍かかえ山降る

ゆく春にまた偉人逝く友がゆく

あとがき…

筍は初夏が最盛期であるが、

西日本では晩春に掘り採られる

ものがあり、これを春の筍、

または春筍という。

主に孟宗竹の筍であるが、柔らかく美味。

香りもよく、いかにも春らしい味覚である…

4/4

乙姫と僕らもそろい学び舎に

一礼に遅れる我が子新期生

入学を待っていたよと花吹雪

あとがき…

四月上旬、小学校、中学校、高校、

大学などで入学式がとり行われる。

殊に小学校入学は誰にとっても忘れ難い

ものである。

いずれも新入生は期待と少しの不安を胸に、

新しい生活を始める事になる…

4/5

三輪山に白蛇がぐるりとぐろ巻く

大神の境内を舞う花吹雪

神杉の上から白蛇が降って来た

あとがき…

大神神社参拝…

奈良県桜井市の三輪さんですね。

1年ぶりにお礼参りに行ってきました…

大神神社は、日本最古の神社といわれています。

ご神体は三輪山そのもので、本殿はなく、拝殿から

三ツ鳥居を通して山に向かって拝みます。

三輪山は国を開いた大物主大神が御魂を留めた

という霊山。「パワースポット」と称されるよりはるか

昔から「神の宿る山」として崇められてきた聖地です。

ご神体の三輪山は、古くから一木一草にいたるまで

斧で伐採することを許されていないそうです。

松や杉、ヒノキなどの大樹が生い茂る参道は、

どこか懐かしくて優しい雰囲気に包まれています…

秘鍵のご神徳は…

もののけに於いては１番です。（厄払いならここ）

そして、資金繰りにおいて大いなる力を発揮されます！

ご眷属に白蛇がおりまして金運成就は抜群です！

しかし、よこしまな願いは慎みましょうね…

4/6

旅に寝てまだ見ぬ春を惜みけり

春惜み命惜みて時の鐘

筍と鶏肉菜でひとめぼれ

あとがき…

惜春/春を惜しむ…

過ぎゆく春を惜しむこと。

春は秋と並んで過ごしやすく、

自然のすがたも美しい。

また物事のはじまりの季節であり、

人との出会いや別れも多い。

春を惜しむことは、人生において

束の間のものである佳き時間や

佳き交わりを惜しむ心につながる…

4/7

花びらがひとひらふたひら散歩道

散る花に別れを告げて我も逝く

武者人形椿飾りに晴れ舞台

あとがき…

武者人形は、武者の人形で

端午の節句に飾るものをいいます。

武者人形は、江戸時代には主に幟と

一緒に屋外に立てる外飾りでしたが、

現在では主に室内に飾ります…

4/8

すね爺自慢話に花が散る

静けさや春の嵐に様変わり

春嵐生きるもろさや母が逝く

あとがき…

ケチは卵が高いと買わないとか…

「ケチ」の意味は、

「必要以上に金品を惜しむこと」

「気持ちが卑しく、心が狭いこと」など。

「ケチな人」は、人へのプレゼントも

安いもので済ませようとしたり、

冠婚葬祭などでさえもお金を出す

のを嫌がったりします…

節約とはまた意味が違います。

ケチには貧乏神が憑依してきます！

昔から卵はたまごです…

4/9

ケチ爺トマト潰して種植える

先生の話が尽きない新入生

春の宵コンビナートの灯が浮かぶ

あとがき…

俺らは技術者兼営業マンの仕事で

数年間を四日市で過ごしました。

三重・四日市市と言えば…

大規模石油化学コンビナートを擁し、

産業の街として発展して来ました。

３つの大きなエリアからなるコンビナートは

上空、海上、陸上と様々な角度から観賞

することができることから「３D夜景」と呼ばれ

ております。また工場観賞愛好家からは

「聖地」と称されており、一度は訪れてみたい

工場夜景都市と言われています…

献詠俳句 2023年 仲春

献詠俳句 2023年仲春