現在僕は派遣社員として働きながら、大学で日本語教育について学んでいる。 
1年半前までは宝石商として働いていた。


男性から「嫁や娘に訳の分からない石を売りつける詐欺師」のように思われている、あの宝石商だ。
ただ、僕は小売店勤務ではなくBtoBだったので、直接宝石をお客に販売する機会はなかったのでこれは僕には当てはまらない。


働いていた6年間は主にインド、イスラエル、香港、タイから宝石を仕入れ日本企業に売っていたので、自然と海外の文化や情報と触れ合う環境だった。
今まで海外に行ったことのない僕がバックパック1つで海外に行くようになったのもなんら不思議ではない。
6年間で仕事での渡航も含め、20カ国を廻った。


僕は営業として働くのは嫌いではなかった。
小さいときから人と接することが好きだったので営業は天職だと思っていたし、いまだに思っている。

では何故、日本語教師を目指すために会社をやめたかというと今でもよくわからないのだ。
ただ、漠然と「おもしろそう」という思いがあるだけだ。
ただ、よくよく考えてみたら昔から「言葉遊び」が好きだったように思う。
一歩間違えればただのオヤジギャグなのだけれど、言葉の面白さは常々感じていた。
そこに海外文化、異文化、他文化への興味が加わり、日本語教師を「おもしろそう」と思うようになったのだろう。



当然家族からは反対されたし、当時付き合っていた女性も泣かせてしまった。
それでも会社をやめ、大学で勉強することはなにより楽しくて贅沢な時間で、全く後悔はしていない。


ただ、現実的な話をすると収入は半分以下になり世間の見る目も冷たい。
逃げ道を作っているようだけれど、いざとなったら宝石商に戻れるという絶対の自信があっての行動なのであまり他の方にはオススメはできない。