最新の葬儀や墓事情とは… | 葬儀と墓のプロのつぶやき

葬儀と墓のプロのつぶやき

現代葬儀やお墓事情、それにまつわる話しをわかりやすくつぶやきます。

昨今の高齢化社会によってここ数年葬儀の形態はガラっと変わりました。ほんの10年くらい前まではその土地の地主なり町内会長なりが亡くなれば自宅やお寺に盛大に花輪が飾られ、その個数がその人のなりを表すかの様に飾られたものです。現在では家族葬が当たり前。1日で済ませる1日葬や葬儀自体を行わず火葬場に直行するケースも多々あります。理由のひとつは日本人の寿命が急速に伸びた事。80代90代で亡くなればその子供も60代から70代。最後まで自宅にいればまだしも病院やホームに長く入っていれば近所付き合いすらもうありません。葬儀を行ったところで身内以外に焼香に来る人などいないのです。

さらにコロナが拍車をかけました。人が集まる場所に高齢者が出かけるのは命がけに。勢い葬儀の形態はひっそりと小さくなるばかり。そしてとどめは寺離れです。『お墓を継ぐのは長男』と言い続けてきた寺は当時は次男、三男には隣に新しく墓を建ててもらう理由としてそう言い聞かせてきた訳ですが、まさかこれほど長く日本の景気が停滞し檀家にならずに墓を建てられる霊園やそもそも墓など不要の散骨などに取って代わられるとは夢にも思わなかった事でしょう。今や葬儀の際に寺を呼ぶのは全体の半分ほど。戒名をつけるのはさらにその半分です。寺にとってはお布施の収入は減るばかり。そこへ墓終いが拍車をかけます。今年は開祖750年を迎えた宗派もありますが寺にとっては将来に向けてその寺を維持できるのか正念場でもあるのです。

 次回はもう少し掘り下げてお話ししましょう。