最後に会ってから
連絡が一切なくなって5日。

私は毎日無意識に
Sくんからのメッセージを待っていた。
通知が来るたびに
Sくんからかなと期待しては裏切られる。

非表示にしたSくんとのLINEを見直したり
Sくんの写真を見たりして
ため息をついていた。

そんな時、Zと揉めた。
連絡が1日なかったことを寂しかったよと言うと
「どうせHするまでの付き合いだって言われてるからな。」
と送ってきたから
「根に持ってる!ごめんね。
あんなこと言われて、逆なら嫌だと思ったから反省してるよ。」
と送る。

「大体、通常って何だよ。
一般論とか何?って感じ。
オレはオレ。」

「だって何考えてるのか分からないんだもん。
私のこと、からかってるよね?」

そんなやりとりの後
「もうやめよう。何か面倒になる。」
と来たから
「はい」
と送ってそのまま丸一日連絡がなかった。


Zと揉めた翌朝
またSくんとのことを振り返っていた私に
待ちわびていたSくんからメッセージが届く。

「もう私のこと削除してるのかと思ってた。
LINEくれてありがとう。
あれからずっと考えてて
そんなに急いで決めることじゃなかったなって思った。
やっぱりチャージしないと元気が出ないよ。」

包み隠さず正直に自分のキモチを伝えることが出来た。

私は今、素直になることを学んでいると思っている。
こんなこと言ったら
迷惑かもしれないとか
困らせるかもしれないとか
嫌われるかもしれないとか
格好悪いとか
下に見られるとか
今まではそういうことを考えて
ずっと聞き分けの良い人でいた。

だけどそんな自分をやめようって
Zに会ってから思うようになった。

その練習をさせてもらってる気がしていた。

Sくんと何度かメッセージのやりとりをして
その夜、会うことになった。

ずっと寂しかったこと
自分が思っていたより好きだったんだと思ったことを伝えると
Sくんは嬉しそうだった。

Sくんの会わなかった間のことを聞くと
「そりゃ寂しかったよ。」
「1時間に1度は思い出してた。」
「それだけ好きなんだろうな。」
「ズルいよな、どんどん好きにさせて。」
「会いたかったよ。
今朝もう既読にならないかもと思いながらメッセージ送ったんだ。」
と言った。

お互い同じようにこの5日間を過ごしたんだと思って
嬉しくなった。

そしてSくんから
この前みたいなネガティブさは不思議と消えていた。

アレは何だったんだろうと思う。
一旦離れてキモチを確認し合う流れだったのかな。
そしてお互いキモチに正直になる為の流れだったのかな。


彼とは時間がかかっている部分を
Sくんはスピーディに進めてくる。

Sくんはその日
白いシャツを着ていた。
私は、以前突然頭に浮かんだ映像が
ずっと忘れられないでいる。

白いシャツを着た体育会系の人が
私の右手を繋いで斜め前を歩いている。

その日Sくんと
一緒に歩くことはなかったけれど
白いシャツを着た体育会系の人というのはSくんなのかもしれない。