本大会のチケットを或方より有り難く二枚頂戴した。

しかも【RSは列】。

つまりリングサイド三列目。

それもリング真正面席。

誰を誘おう?

そうだ。

格闘技の聖地後楽園ホールの乾いた空気を母に一度体験させてあげよう。

当日の昼下がり。

「キックボクシングのチケット二枚貰ったんだけど」

「キックボクシング?」

「これから一緒に観に行こう!」

「やだよキックボクシングなんて」

「一枚一万五千円だよ!」

「私は家でゆっくり大相撲中継観たい」

「折角の機会なのに…」

「一人で行って来な!」

フラれた。(笑)

そして。

何分短時間の猶予ゆえ結局同伴者は見つからず。

夕方近く。

小雨降る中カッパ姿で一人チャリ走らせる。

目指すは水道橋。

昭和五十二年一月二日に亡き父と親子二人連れ立ちプロレス初生観戦(全日本プロレス新春ジャイアントシリーズ開幕戦)を体験して以来通い続ける青いビル(現在の名称は後楽園ホールビルだけど俺にとっては未だこのネーミングの方がしっくり来る)は比類なきプロレス&格闘技ヲタの俺を何時だって温かく迎え入れてくれる。

WKBA世界ライト級王座決定戦。

日本ライト級王座決定戦。

etc.

記念すべきシリーズ50回目の大会らしく豪華で魅力的なカードがズラリ。

主催者の伊原信一新日本キックボクシング協会代表が颯爽とリングに上がるや否やマイクを握り声高に勇ましく開会挨拶。

伊原代表の現役時代をリアルタイムで知る俺だけど未だ衰えぬその元気な姿を目に思わず感嘆。

試合でも伊原道場の選手達が軒並み勝利挙げ大活躍。

セミファイルとメインイベントでは伊原道場の道場生でもある生島ヒロシ氏がスペシャルリングアナウンサーを務め大会に華を添えた。

終ってみれば会場の空間が何処までも熱き伊原イズムに満ち溢れた大会そのもの。

伊原代表からハッスル元気バワー勝手に満タンチャージさせて貰った俺は再びカッパ姿で一人チャリ走らせ帰路を急いだ。

雨に打たれ心も打たれた今宵は七夕。






○○ちゃんに会いたい。

けど…。

俺に負けず劣らず○○ちゃんは無類の親思い。

その気持ちを考えるだけで胸が張り裂けんばかり痛切を覚える。

そして。

会えなければ会えない程に恋しさが募る。
今日は不快な出来事に相次いで見舞われた。

真面目に流した汗が報われる確率なんて事実せいぜい百分の一。

プロレス&格闘技観戦で心の底から血を滾らせ命の洗濯する以外に選択なし。