独立時計師 フィリップ・デュフォー氏 ワークショップ! | 『時計の学校』ブログ

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専門学校ヒコ・みづのジュエリーカレッジ
ウォッチコースの講師が綴る、学校の日常です。

5月12~14日の3日間、独立時計師のフィリップ・デュフォー氏をスイスよりお招きし、
ワークショップを開催しました!



ワークショップの内容は「部品の美しい仕上げ」。

“仕上げ”とは、主に高級時計に行われる、内部のムーブメントに磨きや模様付けを施し、
耐腐食性を向上させ、美観を向上させる技法です。




講師のフィリップ・デュフォー氏は独立時計師協会(通称:アカデミー)の正会員で、
デュフォー先生の作る時計の“仕上げ”は、世界最高峰の美しさです。





この写真は、デュフォー先生が製作した“シンプリシティー”です。
時計としての機能は文字通りシンプルですが、“仕上げ”の美しさは美術品の域に達しています。
美しさだけでなく、それぞれの部品の耐久性も向上し、シンプルで末永く使える時計として製作されています。





さて、そんなデュフォー先生に習う“仕上げ”技法は、こちらの“受け”と呼ばれる部品に施します。
この部品は100年も前に製造されたものを、デュフォー先生が今回のワークショップの為に持参してくださいました。





“受け”をホルダーにセットし、角を落とす面取りという加工していきます。


作業は、


1. ヤスリがけ(2種)
2. ペーパーがけ(2種)
3. バーニッシャー
4. ダイヤモンドパウダー
5. ダイヤモンドペースト(ジャンシャン使用)


という、大変手間のかかる工程です。




デュフォー先生は、部品1個につき4時間ほどで仕上げられると言います。
学生たちは工程ごとに、デュフォー先生の厳しいチェックとアドバイスをいただきながら、
3日間かけて完成させていきます。




左が“仕上げ”前、右が“仕上げ”後です。
光の反射により、角を落とした部分が輝き、上面はヘアラインで虹色に見えます。





とても美しく仕上がりました!





最後はデュフォー先生の講評会を行い、成績発表、
みんなで記念写真と寄せ書きの贈呈でワークショップは終了です!





デュフォー先生ありがとうございました!