※これは、私と一緒に暮らし始めたミーコとその子供たちとの2000年から2003年当時について綴ったエッセイです。過去記事は『猫家族(エッセイ)』のテーマで絞っていただけますと、簡単に検索できます。お時間がありましたら、是非お読みくださいニコニコ

 

 

 おもちゃは、ペットショップで買った毛皮の玉があった。これはミャーのお下がりだったが、ミャーはあんまり遊ばなかったし、ミーコは見向きもしなかったので、大変保存状態は良かったのだが、一ヶ月余りで見事にぼろぼろになってしまった。最後は単なる毛皮の端切れであった。小さな猫が自分の頭ほどもある毛皮の玉を取り合って激しく争い、首尾良く手に入れた猫がいそいそと毛玉をくわえて部屋の隅に向う姿には、思わず笑いがこぼれた。

 

  しかし、毛皮の玉より、鈴の入ったボールより、キキのお気に入りのおもちゃは三角にたたんだ買物袋である。触る度にカサカサと音がするし、ツルツルしていて良くすべるのが良いのだろう。買物の後、私が袋をガサゴソたたみしまう処を見ていたキキは、どこを探せば袋があるかがわかり、以来おもちゃが欲しくなるとこっそりカーテンの後ろに潜り込みガサゴソやるようになった。(買物袋を入れていた棚には、前面にカーテンをつけていたので。)

 

  子供と同じで、気配もないほど静かな時は悪さをしている時である。こっそり袋を探し当て、私の目を盗んでくわえて運び出す時のキキと言ったら! 嬉しさが隠し切れないといった足取りである。地に付かないというか、宙に浮いたというか、早く遊びたいとそわそわと先を急ぐ様子を見るのもまた楽しいことである。

 

ミャーのお下がりの毛玉のおもちゃを見つめる三匹

(向かって左からモモ、キキ、サクラ)

 

 

 

キキ、ひとり遊び中照れ